臍帯とカフェイン
サイコパスとスーサイドの夜明け。
小説/台本/SS/現代詩/コミュニティ
▼ポエトリー
朗読詩「オノマトピア」
ざわわと、海が鳴る事は地球が三回転半しても難しいことだろうけれどすきだと、僕が声を出すことは地球が三回転半するまでに何万回言えることか。ぱたりと、本が倒れることは風のいたずらだったりするだろうけどばったり、君と出会うことは神様だのそんな類のいたずらなんかじゃなくて僕がそう、願って...
朗読詩「山田くんの」
山田くん家の猫は、いつも くーすか寝ている。山田くんが帰ってくる タイミングが彼には お見通しらしくて山田くんが帰ってくる十分前になるとごはん (ほら、あのカリカリしたやつ) の前で一回だけ、「みゃあ」と 鳴く山田くんが帰ってきた後にはいつもの ひざの上でごろごろと 喉を鳴らしな...
朗読詩「白昼夢」
流れてしまつた雲を追いかけて防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み散りばめたあとの笑顔を見ましたらそれはもう、美しいとしかいい様のないほどにふたりの時間は流れていつたのでした。ぎいこぎいこと鳴くペダルを漕いで悠久の海を渡つてゆきますアスハルトの熱さに嫌気がさしたふたり逃げ出したので...
朗読詩「ゲル状」
昨日までやわらかかった祖母の手には取り返しのつかない岩石が生えてしまった気味悪がる僕をよそにつうんとした口調でおこづかいをあげるなんて言い出したから僕は* *人間らしい動きをする人間が野菜らしい彩りの野菜を手に取り動物的にそれをくちに運ぶフロアではラルクアンシエルが流れている動物...
朗読詩「雷雨」
横たわれライオンお前は長く走りすぎた渇ききれないお前が瞳に写すのは限りない緑と求めていたはずの青だろうなあ 次第に灰色になるお前を私は少しだけ強く覆うよまだ腐らないお前を、 横たわれライオンお前は長く走りすぎた吠えたあとのあのびりびりとした振動はまだお前の周りにある渇ききれない...
朗読詩「はじめへ」
なあ、はじめ。知ってるか。お前がずいぶん毛嫌いしている、チンピラの田口は将来お前なんかより良い父親になるんだそれはもう驚くほど家族思いの良い父親だだが相変わらずお前は彼と馴染めないなぜって、お前の嫉妬心に屈するほどやつは弱くないしお前もお前で、実は案外どうでもいいからだ。なあ、は...
朗読詩「海獣」
昨日だってそうだった。大して金にもならない仕事で、ただ毎日を削っていた。どう削ってみても、まるで僕から出てくるフケみたいに細々と卑しく落ちてゆくだけできっと何も感じちゃいないポラロイドカメラを自分に向けて切ってみたってきっと僕だけはそこに写らないんじゃないかなんて考えてみたりもし...
朗読詩「彗星観測」
朗読詩「親父とセックスする夢を見る。」
断じて違うことを先に言っておくけれど僕は親父のことが好きなわけでも男性の体に興味があるわけでもないんだけどでもそれでも何度も何度も親父とセックスする夢を見るそれは風呂場やトイレみたいな日常のどこかであったり見たことも無い廃墟やスクランブル交差点の真ん中あるいは、電脳的空間を模した...
朗読詩「夜を越えた日」
銀河鉄道の汽笛が聞こえなくなった、それは夜を越えた日。肋骨の隙間を抑えながら思い出した君の言葉は何回だって僕を殺すには充分だと思ってたけど眠れぬ日々を笑い飛ばすことはできないまま死なないだけで生き残るそれは夜を越えた日。無くなったものがすべて愛だと勘違いしていたのはなんとなく、そ...