「魔法少女のパパはいや。」(1:1:2)
【配役】
ラブマスク:男性
まみこ:女性 Mあり
妖精プリン:性別不問
その他全部:通行人、怪人などぜんぶやる
※性別変更あり
ラブマスク:えぇぇーい!!!!!
ラブマスク:これで終わりよ!!怪人オタンコナース!!
ラブマスク:マジカルシャイニングホーリーシャワー!!!!
ラブマスク:地球の平和は、おじさんが守るっ!!
通行人A:きゃー!ラブマスクよー!!
通行人B:ラブマスクー!ありがとー!!
まみこM:人生というのは、喜劇と悲劇の連続であるという言葉・・・。
まみこM:一体誰の言葉だったのか。
まみこM:私は一言だけ言いたい。私にとっては今のところ、悲劇しかない。
まみこM:いや、ある意味、喜劇なのかもしれないけれど。
ラブマスク:みんなからのキュートエール、とどいてるぞっ!
まみこM:いや、やっぱり悲劇なのだ。きっとこれは、史上最低の悲劇だ。
まみこM:そうだ、そうに違いない。そうと言ってくれなければ、そうであってくれなければ。
まみこM:私のこの気持ちは、どこに置けばいいのだろう。
ラブマスク:キュートでポップ、夢かわいい魔法少女!
ラブマスク:ラブリー、キューティ、ラブマスクっ!みんなありがとー!
まみこM:だって信じられる?このおじさんが、私のパパなんだってこと。
ラブマスク:愛とキュートで、事件解決ぅ!
まみこM:ほんっと、最悪。
:
ラブマスク:まみこ。
まみこ:なに。
ラブマスク:このプリントはなんなんだ?
まみこ:・・・授業参観のお知らせ。
ラブマスク:パパ、すっごく悲しかったぞ。
ラブマスク:学校の先生から、昨日電話があって知ったんだ。
まみこ:・・・。
ラブマスク:まみこ、なんとか言いなさい。
まみこ:パパのさ。
ラブマスク:ん?
まみこ:職業ってさ。
ラブマスク:うん。
まみこ:魔法少女じゃん。
ラブマスク:ああ、そうだな。
まみこ:・・・パパはさ。
ラブマスク:うん?
まみこ:身の程を知ったほうがいい。
ラブマスク:ええ!??娘に言われると思わなかったランキング2位くらいの辛辣さだよそれ。
まみこ:少女ってなに?ねえ、少女って。どこからどう見ても少女要素ないじゃん。
まみこ:いびきはうるさい。シャツの脇の部分はなんか黄色くなる。足は臭いし、水虫。
ラブマスク:水虫はないよ!魚の目だけ!!
まみこ:どっちでもさほど変わりないんだよ!!
まみこ:どんぐりの背比べにも程があんだろが!
まみこ:お風呂のあとには浴槽になんかよくわかんない油浮いてるときあるし!
妖精プリン:おーい、愛之助ー。また魔法のステッキ、傘立てに入れてたゾ。
まみこ:こいつよこいつ!!!!このなんかよくわかんない妖精みたいなやつ!!!
ラブマスク:おっと、ありがとうプリン。昨日も前の会社のときの課長に変身シーン見せてって強請(ねだ)られちゃってさ。はっはっは!
妖精プリン:だめだゾ、本当。大事に使ってほしいぜー。あ、まみこ、いたのか。
妖精プリン:ちーっす、ちすちっす。
まみこ:こいつの!この!馴れ馴れしいかんじもむかつくし!!
まみこ:パパもパパで!!どこが少女なのよ!!中年よ中年!!魔法中年じゃんそんなの!!!
ラブマスク:あー!言った!言っちゃった!中年って言った!一番言われたくないやつだよパパは、それ。
まみこ:何度だっていう!言ってやるわよ!ま・ほ・う・ちゅ・う・ね・ん!
妖精プリン:なんてひどい事を言うガキなんだこいつは!愛之助は今じゃ国民的スターなんだゾ?
まみこ:スターとかどうっでもいいわ!!私は普通にサラリーマンしてるうだつの上がらないパパがよかったの!
まみこ:そこになんつー要素付け加えてくれてんだよこのクッソ妖精!
ラブマスク:こら、そんな汚い言葉を使うんじゃない!まみこ!
ラブマスク:それに私は、後悔していないぞ。だってパパが子供の頃にあこがれた、
ラブマスク:カードキャ(規制)ター桜とか、(規制)リキュアとか、セー(規制)ムーンとか。
ラブマスク:そういうのに、パパ、なれたんだって。
ラブマスク:なんか・・・自信も持てたしさ・・・へへ。
妖精プリン:そうだゾ、愛之助、俺様に感謝しろよ。
まみこ:おめぇはだまってろやこのクソ妖精がよぉぉぉ!!!
まみこ:大体あんたなんなの?プリンとかいう可愛い名前で、そのしゃべり方!
まみこ:もっとさ!なんかこうさ!かわいいしゃべり方とかあるでしょ!?
まみこ:絶対あるでしょ?普通はさ!
妖精プリン:(わざとっぽく/煽るような感じで)まみこは怒りっぽいプリ~!プリン、こーわーいープ~リ~!
まみこ:よし殺す絶対殺す、2、3回殺す、ミキサーにかけて殺す、天日干しにして殺す。
ラブマスク:こら!まみこ!プリンに謝りなさい!
まみこ:絶対いや!
妖精プリン:(わざとらしく)えーーん!愛之助ぇ!まみこが怖いプリぃ!えーんえんえん。
まみこ:今更かわいこぶってんじゃねーーーーー!!!
まみこ:お前プリンとかって名前だけどそれ本名じゃねえだろ!!!
妖精プリン:ゴクゴクビール・プリンタイ・三世ですけどなにか?
まみこ:痛風予備軍かよ!!!魔法少女要素皆無なんだよ!!まじで!!!
ラブマスク:まみこ、見た目や名前だけで人を判断してはいけないって、パパいつも言ってるだろ。
まみこ:お前は名前と見た目をもうちょっと気にしろや!!!!
妖精プリン:おっと、おい、愛之助。のんきに娘とのランデブーかましてる場合じゃねえ。
妖精プリン:奴ら、怪人どもの反応だ。これは・・・駅前のあたりだな。やべえぞ、今回のはかなりつえー。
ラブマスク:それはまずい。まみこ、パパはお仕事に行くから、ちゃんと朝ご飯を食べて学校にいくんだぞ。
まみこ:・・・はぁ。
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怪人:ぴぇーっひぇっひぇっひぇ!!!私は怪人、パンツクッチャウゾー!
怪人:パンを作ってるのか、パンツを食ってるのかわからない、非常にナイーブな線での質問をして
怪人:世の中の男児たちを恐怖のどん底に突き落とすことを生業(なりわい)としている怪人だぁ!!!
通行人A:きゃー!!!!
通行人B:もうおしまいだー!!!
妖精プリン:愛之助!間に合ったプリー!すぐに変身して、怪人をラブパワーで塵(ちり)にするプリー!
ラブマスク:ああ、任せろ!いくぞ!へんっしん!
怪人:きーたーなー、ラブマスク!
ラブマスク:ラブリー♡ラブラブ♡ラブマスク♡参上だぞっ!
妖精プリン:ラブマスクー!この怪人は全男児の敵でもあり、全女児の敵でもあるプリ!
妖精プリン:気を付けるプリよー!!!
ラブマスク:まかせて!プリン!ラブラブキュートパワーで、けちょんけちょんにしちゃうんだからっ!
怪人:けーっひゃっひゃっひゃ!!ラブマスク!生きるものはすべて!
怪人:必ずパンツをはいているのだぁ・・・くくくっ、その意味がわかるかぁ?くっくっく・・・。
ラブマスク:・・・!?
ラブマスク:そ、それはつまり・・・!
怪人:貴様にも私の技は通じるのだよぉ!!!!
怪人:ねえねえ、ラブマスク、ねえ、パンツクッチャウ?ねえ、明日パンツクッチャウ?
ラブマスク:きゃ、きゃあーーー!そ、そんな!パンを作るのか聞かれているのか
ラブマスク:パンツを食うのか聞かれてるのかわからなくって答えられないよー!!えーん!!!
ラブマスク:ラブりん、大ピンチなのだ!!!
怪人:けーっひゃっひゃっひゃ!!どうだ!恥ずかしいだろ!答えられないだろぉ!!!
妖精プリン:・・・こいつぁ、やべぇ事になってきたぞ。
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演出:(少しの間をあけ)
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まみこ:そもそもさ、どうして魔法少女なのよ。
まみこ:これがさ、覆面スーパーヒーローとかだったらさ。
まみこ:全然いいよ。むしろウェルカム。
まみこ:・・・なのに現実はフリフリのゴスロリを着た、はげだるま。
まみこ:・・・私が学校でなんて言われてるか知ってる?
まみこ:ゴスロリおじさんの娘だよ。
まみこ:もー・・・ほんと無理。
妖精プリン:おいまみこ!!!
まみこ:うっわびっくりした。クソ痛風じゃん。どしたの。
妖精プリン:痛風じゃねえわ。そんなことより愛之助がやべえ。
まみこ:え・・・?
:
演出:(少しの間をあけ)
:
ラブマスク:もう・・・だめ・・・あたしのラブリーミルキーパワーが・・・もう・・・。
怪人:ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!ついに!!!やってやったぞ!!
ラブマスク:くっ・・・どうしよう・・・。
妖精プリン:愛之助ぇ!!
まみこ:パパ!!!
ラブマスク:な・・・プリン!?まみこ!?だ、だめ!!!
ラブマスク:来ちゃだめ!!!!あなたたちもパンツをはいてる!!
ラブマスク:このままじゃこの怪人の能力の餌食に・・・っ!!
怪人:もう遅い!!!!ひゃーっはっはっは!!おおい、お前たちも
怪人:明日はパンツクッチャウ??パンツクッチャウのー?ねーーーーえ!!!教えてよー!!!
ラブマスク:くっ・・・!!!まみこ逃げろ・・・っ!!!
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まみこ:は?????きもいんですけど。
:
怪人:・・・えっ。
まみこ:え、なに?なんなのその質問?
まみこ:仮によ、仮に。それでパンツを食ってたらなんなの??
怪人:え・・・いや・・・だって、恥ずかしい・・・じゃん・・・。
まみこ:あんたのほうがよっぽど恥ずかしいんですけど。
怪人:うぇっ。
まみこ:いや、どう考えてもきもいし、恥ずかしいのはあんたでしょ。
まみこ:それで恥ずかしがらせたあとどうするつもりだったの?あんたの求めるビジョンってなに?
まみこ:ぜんっぜん未来が見えない。やり直し。怪人としてやり直しだわ。
怪人:ヴぇっ・・・うっ・・・うう・・・。
妖精プリン:えげつな。
ラブマスク:何もそこまで言わなくても。
怪人:うぇ・・・うぇぇぇぇん・・・この子怖いよぉ・・・。
まみこ:いや、女学生捕まえて「パンツ食っちゃうのー?」とか聞いてる時点で普通逮捕だから。
怪人:き、き、きえええーーーー!こうなったらもう能力は使わねえ!!!拳でわからせてやんよおらぁ!!!
妖精プリン:なっ!逆上してなぐりかかってきた!!まみこあぶねぇ!よけろ!!
まみこ:きゃっ!!!
ラブマスク:うちの娘に何しようとしとんじゃコルぁーーーー!!!!!!
怪人:ぎえ!!!ちょ、あ、たんま、やめ、あ、そんなになぐらないで、いたい、いて、いたい!!!
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まみこM:なんていうか、私の毎日はいつもこんな感じ。
まみこM:意外とね、強いパパってのは嫌いじゃない。
まみこM:ただ、やっぱゴスロリはやめてほしいし、足が臭いのはなんとかしてほしい。
まみこM:人生というのは、喜劇と悲劇の連続であるという言葉・・・。
まみこM:一体誰の言葉だったのか。
まみこM:私は一言だけ言いたい。私にとっては今のところ、悲劇しかない。
まみこM:いや、ある意味、喜劇なのかもしれないけれど。
まみこM:まあ、でも。割とね、こうやってパパが皆から応援されて。
まみこM:くっだらない奴ばっかりだけど、怪人からの脅威を退けて。
まみこM:声援をもらってる姿は、嫌いじゃないのかもしれない。
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通行人A:ありがとうラブマスクー!!!あなたがこの町の救世主よー!!
通行人B:今日もかわいいぞー!!!
ラブマスク:みんな!ありがとう!ありがとう!
妖精プリン:・・・なあ、本当にいいのかよ?愛之助。
ラブマスク:んー?なにが?
妖精プリン:本当は俺は、まみこを魔法少女にしようとしてたけど
妖精プリン:お前が「娘を危険な目にあわせるくらいなら私がやる」って
妖精プリン:代わりに魔法少女をやってるってはなし。まみこに話さなくてよ。
ラブマスク:んー、いいんだよ、これで。
妖精プリン:なんでよ?
ラブマスク:魔法少女であれ、中年であれ、娘を守ることに変わりはないからさ。
妖精プリン:・・・おまえ。
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まみこM:きっとこれは、史上最低の悲劇だ。でも、喜劇でもあるのだ。
まみこM:だって信じられる?このおじさんが、私のパパなんだってこと。
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ラブマスク:愛とキュートとラブリーで、今日もかわいく事件解決ぅ♡ちなみにパンツは紐パンよ♡
まみこM:前言撤回。やっぱ最悪。
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