「ギジン屋の門を叩いて」⑪『し』に至る病(1:2:0)
捩治理川 燈子:ねじりがわ とうこ。依頼人。女性。殺したい人がいた。
寺門 眞門:てらかど まもん。店主。男性。いわくつきの道具を売る元闇商人。
猫宮 織部:ねこみや おりべ。助手。女性。家事全般が得意です。
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: 「ギジン屋の門を叩いて 『し』に至る病」
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捩治理川 燈子:絶対に、あいつにぶっ殺される。
寺門 眞門:なるほど。
捩治理川 燈子:だから死に物狂いでここに来た。
寺門 眞門:なぜわざわざここに。
捩治理川 燈子:……。
寺門 眞門:挙句、例の笛は奪われてしまったと?
捩治理川 燈子:それは、その
寺門 眞門:っは!まったくこれだから小娘は!!
寺門 眞門:あれは人を殺すことのできる呪物だぞ!?
寺門 眞門:「自覚」が無さすぎる!!
猫宮 織部:でもそれを売ったのは旦那様ですよね?
寺門 眞門:う、それは、そう、だ、ね……?
猫宮 織部:しかも、割と押し付けた感じで。
寺門 眞門:うっ……。
捩治理川 燈子:それは、いいんです、もう。
寺門 眞門:ご、ごほん。
寺門 眞門:まあ、ともかく、だ。
寺門 眞門:燈子さん、なぜ、奪われてしまったのだね。あの「笛」は。
猫宮 織部:お茶、入れて参りますね。
猫宮 織部:旦那様はホットミルク、燈子さんはブラックコーヒーで宜しいですよね?
捩治理川 燈子:あ、は、はい。ありがとうございます。
寺門 眞門:ありがとう、猫宮さん。
寺門 眞門:……使わなかったのだね
捩治理川 燈子:え?
寺門 眞門:笛だよ、笛。
捩治理川 燈子:あ、は、はい。
寺門 眞門:見直したよ
捩治理川 燈子:え?
寺門 眞門:正直、呆れていた、君の事を。
捩治理川 燈子:……。
寺門 眞門:くだらぬ嫉妬心で、赤の他人を殺そうとするほどには
寺門 眞門:性根が腐っている君など、死んでも構わないとさえ
寺門 眞門:思っていた。
捩治理川 燈子:……おっしゃる通りです。
寺門 眞門:すまなかった。
捩治理川 燈子:え
寺門 眞門:見直したよ、きちんと反省ができ、きちんと踏みとどまる事のできる人間だったんだな、燈子さん。
捩治理川 燈子:……違います
寺門 眞門:ん?
捩治理川 燈子:……吹けなかったんです
寺門 眞門:え?
捩治理川 燈子:練習しても、吹けなかったんです……。
寺門 眞門:はぁ!?
寺門 眞門:吹く練習をしたのか貴様!
捩治理川 燈子:し、したわよ!練習しなさいって言ったじゃないの!貴方!
寺門 眞門:言った!言ったさ!!それで!?
寺門 眞門:なんだって?はあ?吹けなかった!?
寺門 眞門:練習すら途中で投げ出したというのか!
捩治理川 燈子:そ、そうよ…悪い!?
寺門 眞門:どこまで「屑」なんだ貴様は!!!!
寺門 眞門:嫉妬心を燃やしながら、殺意まで覚え!
寺門 眞門:そのうえ、練習すらも投げ出す怠惰!!
寺門 眞門:とんでもない小娘だな貴様は!!
猫宮 織部:だ、旦那様!?大声をあげてどうしたんです!?
寺門 眞門:猫宮さん!この小娘はダメだ!救いようがない!!
捩治理川 燈子:そ、そんなに言わなくてもわかってるわよ!!
捩治理川 燈子:私だって、私だって自分が「屑」な事くらいわかってる……
猫宮 織部:ちょ、ちょっとお二人とも落ち着いて…!
寺門 眞門:はー!謝って損した!なんて奴だまったく!
猫宮 織部:ま、まあまあ。旦那様、落ち着いて?はい、ホットミルク
寺門 眞門:……ありがとう、猫宮さん。
寺門 眞門:(ホットミルクを飲み)ふう、猫宮さんのホットミルクはしあわせの味がするね。
猫宮 織部:ふふ、よかったです。
猫宮 織部:燈子さんも、はい、どうぞ。コーヒーです。
捩治理川 燈子:あ、ありがとうございます。
猫宮 織部:私は……じゃじゃーん!今日は抹茶オレにしました!
寺門 眞門:甘くておいしい奴だね
猫宮 織部:はい!緑色の奴!です!
捩治理川 燈子:いただき、ます
寺門 眞門:ふう、まったりだね
猫宮 織部:まったりですね、寿屋(ことぶきや)のマカロン買ってくればよかったですね
捩治理川 燈子:あ、寿屋の…おいしいですよね
猫宮 織部:知ってますか、燈子さん!あそこのマカロンいいですよね
捩治理川 燈子:はい、甘すぎなくてすごくおいしい
猫宮 織部:ふふふー!わかります。ほうじ茶マカロン食べました?
捩治理川 燈子:あ、いえ、まだ
猫宮 織部:おすすめですよー!さく!ほろ!しゅわわ、ふわぁーん、と香るほうじ茶
猫宮 織部:最高ですっ!
捩治理川 燈子:ふふ、そうなんですね、楽しみ
寺門 眞門:……燈子さん
捩治理川 燈子:あ、は、はい
寺門 眞門:……「笛」は一体どうしたんだ。誰に奪われた。
捩治理川 燈子:……奪われた、というよりも
捩治理川 燈子:あげてしまった、と言ったほうが、正しいかも、しれない、です
寺門 眞門:はあ……いい、怒らん。知っている事を話してくれ。
捩治理川 燈子:……「オカルト好きの知り合い」
寺門 眞門:……ん?
猫宮 織部:え?
捩治理川 燈子:「オカルト好きの知り合い」から聞いた、って
捩治理川 燈子:そういう事にしろっていう条件の元で、ギジン屋の事を教えてくれる人が居たんです。
猫宮 織部:そ、それって!!!
寺門 眞門:ついに尻尾を出しおったか!!!「まだ見ぬオカルト好きの知り合い」!!
寺門 眞門:ついに、ついに!!!
猫宮 織部:ええ!ええ!そうですね!その人がここを広めていたってことですよね!
捩治理川 燈子:そう、だと思います
寺門 眞門:誰なんだそいつは!一体!
捩治理川 燈子:名前は、わからないんです。
寺門 眞門:くそっ!!
捩治理川 燈子:でも
寺門 眞門:でも?
捩治理川 燈子:いつもガスマスクをつけていて、深くフードを被っていて……
捩治理川 燈子:「蠅」みたいな人でした。
寺門 眞門:……「蠅」、だと?
捩治理川 燈子:え、あ、はい、「蠅」みたいな見た目なので……
寺門 眞門:ここで繋がったか!!
捩治理川 燈子:え、ええ…?
寺門 眞門:猫宮さん、先野橋が言っていたね
猫宮 織部:ええ!言ってました!
猫宮 織部:獄門先生の一件は、私たちギジン屋と、そして同じような事をしている「蠅」みたいな奴が原因だぁー!って
捩治理川 燈子:は、はあ
寺門 眞門:燈子さん、その蠅みたいな奴からは何を聞いたんだね
捩治理川 燈子:え、えっと
捩治理川 燈子:この「ギジン屋」に来れば、呪物の力で願いを叶えてくれるって
寺門 眞門:なんだそのアバウトな……
寺門 眞門:それを、その「蠅」という奴は一体どういう目的で吹聴してるんだ。
捩治理川 燈子:それは、ちょっとよくわからないんですけど…
寺門 眞門:男なのか?女なのか?
捩治理川 燈子:それも、よくわからないんです、いつも変声機をつけてたので
寺門 眞門:なるほど、用意周到だな
猫宮 織部:……謎が多いですが、誰が吹聴しているのかはわかりましたね、旦那様
寺門 眞門:ああ、「蠅」か。嫌なイメージだね。
猫宮 織部:そう、ですね。「ベルゼブブ」は、別名「蠅の王」ですもんね。
捩治理川 燈子:ベルゼブブ……?
寺門 眞門:ああ、いや、気にしないでくれ。
寺門 眞門:ところで、「ぶっ殺される」と言っていたが
捩治理川 燈子:……。
寺門 眞門:誰に殺されるんだね?
猫宮 織部:人を呪わば穴二つ、じゃないですが…
猫宮 織部:殺したい、と思ってた人が「殺される」と思うのは何の因果なのでしょうね
寺門 眞門:「すそがえり」というものだね。
寺門 眞門:呪った事、人に想った事は「自分に跳ね返ってくる」
捩治理川 燈子:……兄さんに。
猫宮 織部:ええっ!?
寺門 眞門:……どういうことだ?貴様に興味は無くなったかも知れないが
寺門 眞門:家族であることに変わりはないだろう?
寺門 眞門:なぜ、殺されると?
捩治理川 燈子:最近の兄はおかしいんです。
捩治理川 燈子:今まで夜中に出かけたりすることなんてなかった、
捩治理川 燈子:ずっと気持ちも荒ぶってて、何かずっとブツブツつぶやいてて
捩治理川 燈子:…とにかくいつもと様子が違うんです。
寺門 眞門:ほう
猫宮 織部:どうしたんでしょう……
寺門 眞門:兄の名は、「弦夜(げんや)」だったか。
捩治理川 燈子:そう、です
寺門 眞門:ふむ……例の家庭教師は?
捩治理川 燈子:家庭教師のあの女は、まだ、来てます。
捩治理川 燈子:あの女にだけは心を開いてるみたいで、きちんと授業は受けてるみたいです。
猫宮 織部:うーん、勉強はしてるんなら、うーん。
寺門 眞門:でもそれだけじゃ、殺すなんて物騒な話にはならないだろう?
捩治理川 燈子:……見ちゃったんです。
寺門 眞門:見た?
捩治理川 燈子:……「殺害計画」って書かれたノートを、兄さんが書いてるんです。
猫宮 織部:殺害計画!?
捩治理川 燈子:はい……
猫宮 織部:ぶ、物騒な……
寺門 眞門:ふむ…
捩治理川 燈子:何が、兄の逆鱗に触れたのかわからないんです。
捩治理川 燈子:私の何が、兄の「殺意」に触れたのか。
捩治理川 燈子:でも、なぜか兄は、私を殺そうとしている。
寺門 眞門:予兆のような物はなかったのか?その、弦夜の様子がおかしくなった時の。
捩治理川 燈子:わかりません…
捩治理川 燈子:でも、ここ最近、だと思います。
寺門 眞門:ふむ、「できた人間」であったのだろう?弦夜は
捩治理川 燈子:…はい
猫宮 織部:人望も厚く、人の上に立つ事も、日本を動かす事も出来るかもしれないって、仰ってましたよね。
捩治理川 燈子:ええ!本当に!あの人の、あの人の力をもってすれば、それも容易いと思うんです。
捩治理川 燈子:眞門さんには、否定されてしまいましたが、私の目から見た兄は
捩治理川 燈子:優しくて、健やかで、誰からも愛されて、愛も深くて
捩治理川 燈子:あんな、あんな「殺人計画」だなんて、そんな事……
猫宮 織部:ううん…
捩治理川 燈子:捩治理川家の、長男として、一家の当主になる者としての風格も
捩治理川 燈子:カリスマも、持ってて…尊敬してて……
寺門 眞門:だが、豹変してしまった?
捩治理川 燈子:……はい
寺門 眞門:……ただの反抗期だ、と一蹴してしまえば簡単ではあるがな
猫宮 織部:その言葉で片づけるには、ちょっと…
寺門 眞門:ああ、状況が異常すぎるな。
捩治理川 燈子:…う…うぅ…(少しずつ嗚咽が漏れる)
猫宮 織部:燈子さん…
捩治理川 燈子:(涙ぐみながら)尊敬してた!
捩治理川 燈子:尊敬して、本当に、愛してて
捩治理川 燈子:ダメな事だっていうのもわかってる、私が「屑」なこともわかってる
捩治理川 燈子:でも、でも、それでも、この私が感じた「愛情」や
捩治理川 燈子:あの人を求めた「心」は、「心」だけは嘘なんかじゃない
捩治理川 燈子:大事で、愛しくて、誰かを殺してまで手に入れたいって思った、
捩治理川 燈子:「兄の姿」は、絶対に本物だった…!
捩治理川 燈子:でも、違うの、変わってしまった…今の兄は、私の知ってる兄じゃない
捩治理川 燈子:違うの…
猫宮 織部:燈子さん…
寺門 眞門:…なんらかの呪物の力が及んでいる可能性が、無いとも言い切れないな
猫宮 織部:旦那様…
寺門 眞門:「蠅」という奴が、いったいどういうつもりで「呪物」を広めてるのか
寺門 眞門:知らないが、少なからず「本来道を違えるはずのないものが、道を違えている」この状況。
寺門 眞門:そのままには、しておけないな、これは。
猫宮 織部:…旦那様
寺門 眞門:なんだい?
猫宮 織部:……呪物は、悪い物ですか?
寺門 眞門:……どうしてだい?
猫宮 織部:燈子さんの殺意を具現化するための「のろい」
猫宮 織部:私の、「火車(かしゃ)」を抑えるための「のろい」
猫宮 織部:茉希(まき)さんの気持ちを吐露するための「のろい」
猫宮 織部:全部、全部同じ呪いです。でも、
寺門 眞門:でも、「悪」にも「善」にもなる。
捩治理川 燈子:「悪」と…「善」…
寺門 眞門:「心」と同じなのだと思うよ、それは。
捩治理川 燈子:心…
猫宮 織部:移ろいゆくもの。
猫宮 織部:悪にも、善にも、状況によって、変わる…
寺門 眞門:ああ、その通りだ。ようは「どう使うのか」「どう捉えるのか」
寺門 眞門:それ次第で、すべてが変わってしまう。
寺門 眞門:それこそ、「呪(じゅ)」という漢字が「のろい」とも「まじない」とも読めることと同じように。
猫宮 織部:旦那様。
寺門 眞門:うん?
猫宮 織部:燈子さんは、「悪」ですか。
寺門 眞門:……。
捩治理川 燈子:え……
猫宮 織部:旦那様、燈子さんは「悪」ですか?
寺門 眞門:……「悪」……だった、が正しいかもしれないね
猫宮 織部:……。(眞門の言葉を待っている)
寺門 眞門:…はあ、わかった、わかったよ。
寺門 眞門:猫宮さんには敵わないよ、もう。
猫宮 織部:…へへへ、旦那様のそういうところ、大好きです、私
猫宮 織部:すこすこのすこ、すこてぃっしゅふぉーるどですよ
寺門 眞門:…ふふ、猫かい?
猫宮 織部:ちがいまーす!
捩治理川 燈子:え?…え?
猫宮 織部:燈子さん
捩治理川 燈子:は、はい
猫宮 織部:お兄さまに、確かめにいきましょ
捩治理川 燈子:え、えぇ?
寺門 眞門:サポートしてやる、特別サービスだ
捩治理川 燈子:え、え……いいんですか……?
寺門 眞門:心とは、移ろいゆくものだ。
寺門 眞門:思考も、気持ちも、のろいさえも。
寺門 眞門:この「時」の流れがあるかぎり
寺門 眞門:人は変われるはずだ、心は変われるはずだ。
寺門 眞門:燈子さん、君は現時点でも恐らく「屑」なままだ。
捩治理川 燈子:……はい
寺門 眞門:だが、「変わる事ができる」
寺門 眞門:この先の未来で、きっと、変わる事ができるんだ。
寺門 眞門:だから、その君の「未来」を、「私は信じることにする」
猫宮 織部:「蠅」でもなんでも、ぼっこぼこにしてやりましょう!
捩治理川 燈子:おふたりとも……
寺門 眞門:燈子、貴様の父上はいいセンスをしている。
捩治理川 燈子:え?
寺門 眞門:燈子という名前。「火」が「登る」と書いて、「燈」。
寺門 眞門:行灯や、提灯に火をつけるのは決まって夜だ。
寺門 眞門:月明りが照る、薄暗い夜に、下品に照るのではなく
寺門 眞門:そこに佇むように灯って欲しい、そういう意味だ、その「言葉」は。
捩治理川 燈子:眞門、さん…
寺門 眞門:「間(あいだ)」という字を知っているだろう?
捩治理川 燈子:あ、はい、スキマとか絶え間とか、そういう意味ですよね。
寺門 眞門:その通りだ。「日」が「門」を通る時、そこには大きな「間」が生まれる。
捩治理川 燈子:…はい
寺門 眞門:だがこの「間」という漢字、実は元々門を通ったのは「日」ではなかったんだ。
猫宮 織部:えっ、そうなんですか?
寺門 眞門:そう、違う物が通ってたんだよ。なんだと思う?
捩治理川 燈子:…なんだろう
猫宮 織部:お日様に関係あります?
寺門 眞門:ああ、あるね。
捩治理川 燈子:…月?
寺門 眞門:正解だ。そう、「月」が通ることで「閒(ケン)」、「間(あいだ)」という意味だったんだ。
猫宮 織部:へぇぇーーー!知らなかった!!
捩治理川 燈子:月が通る…
寺門 眞門:そうだ。下品な燦燦と照る日の光りではなく、ぼんやりと灯る月の光が「間」を作っていたんだ。
寺門 眞門:「間」とは。
捩治理川 燈子:「間」、とは…?
寺門 眞門:「機会」という意味がある。
猫宮 織部:…今が、まさに、絶好の機会なんですね。
寺門 眞門:そう、呪物の毒牙にかかったかもしれない兄と「対峙」し
寺門 眞門:今までの劣情や歪んだ関係も含め「対自」する。
猫宮 織部:そして、「蠅」退治!!!
寺門 眞門:うまいことを言うね!猫宮さん!
猫宮 織部:えっへへへ!
捩治理川 燈子:……。
寺門 眞門:ん、どうした?
捩治理川 燈子:……私なんかの為に、ありがとう……。
寺門 眞門:…なんだ、しっかり感謝の言葉が吐けるんじゃないか。
猫宮 織部:ふふふ
寺門 眞門:さあ、行くぞ。冥府に落ちる寸前の、その兄を
寺門 眞門:まさに吟遊詩人オルフェウスの如く、救いに行こうではないか。
捩治理川 燈子:…はい!
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寺門 眞門:(語り)
寺門 眞門:太陽と月が対になるのと同じ。
寺門 眞門:善と悪が、光と影が、対になるのと同じ。
寺門 眞門:移ろい、形を変えながら、心というものは変動していく。
寺門 眞門:今思えば、ここで私は、踏みとどまるべきだったのかもしれない。
寺門 眞門:「隣」に君が居ない、この雑貨屋のカウンターで、一人佇む。
寺門 眞門:絶え間なく、雨音が戸を叩く。
寺門 眞門:誰も居ないこの店内を、憂うかのように。
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0:ー続ー
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