ゾンビのやつ(0:0:3)
【配役】
ヒューイ:審査官(しんさかん)。シェルター内にゾンビを入れない為に関所にて厳しくチェックをしている。
有能が故に「鷹の目(ホークアイ)」と呼ばれているとか。性別不問。
ショーン:情報部。審査官がスムーズにチェックが出来るように日々国営放送や衛星中継を確認している。
性別不問。
ゾンビ?:ゾンビ。いろんなゾンビ。喉を痛めないように気をつけてください。性別不問。
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ショーン:やあ、審査官どの。今日の気分はどうだい?
ヒューイ:ハニーディップソースの海に肩まで浸かった気分だよ、世界はついに終わったかい?
ショーン:終わってくれてた方がマシだったかもしれないな。
ショーン:今日も変わらずこのシェルターの外は、ゾンビどもで溢れかえってるさ。
ヒューイ:そうか、それはつまり今日も私の仕事は多忙となるってことだね。
ショーン:その通り、さすが審査官どの。
ヒューイ:せめてこのコーヒーを飲み終わるまではゆっくりしていてもいいだろ?
ヒューイ:もう数少ないスターバックスの豆なんだ。
ショーン:残念だけど、その偽キャラメルマキアートはこのまま冷めるか
ショーン:もしくは飲みながら仕事をこなしてもらうことになるね、ほら、聞いてみなよ。
ゾンビ?:ぐおおお・・・(うなり声)
ヒューイ:ははは、変わらずこのシェルターは大人気だな。
ヒューイ:もしかしてシェルター内にマイケル・ジャクソンでも居るんじゃあないか?
ショーン:だとしたら彼は既にゾンビだよ。
ショーン:さて、再確認だ、面倒だが毎日マニュアルを読むのがマニュアル化されてるからな。
ショーン:復唱してくれ。
ヒューイ:任せてくれ、何せ私は復唱のプロだからな。
ショーン:ははは、その冗談も何回目かな。
ショーン:さて、読み上げるぞ。
ショーン:「この人類救護型独立シェルターは、人類の保護を目的に作られている。」
ヒューイ:「この人類救護型独立シェルターは、人類の保護を目的に作られている。」
ショーン:「審査官はモニターとマイクを使い、入り口に立つ者に質問をしなければならない。」
ヒューイ:「審査官はモニターとマイクを使い、入り口に立つ者に質問をしなければならない。」
ショーン:「対象が間違いなく人間であればシェルター内に確保、緑色のボタンを押す。」
ヒューイ:「対象が間違いなく人間であればシェルター内に確保、緑色のボタンを押す。」
ショーン:「対象にゾンビの疑いがあれば、赤色のボタンを押す。」
ヒューイ:「対象にゾンビの疑いがあれば、赤色のボタンを押す。」
ショーン:どうだ?問題なさそうか?
ヒューイ:毎日復唱しすぎてママの顔よりすぐに思い出せるようになったさ。
ショーン:OK、さすがだな、ブラザー。
ショーン:今回、国営放送の情報を鑑みるに「ベンベック州」から来た奴は問題なくシェルターに通しても良さそうだ。
ヒューイ:ベンベック州か、あそこは良い飲み屋が多かったな。
ショーン:逆に話が通じない、明らかにゾンビっぽい、など不可思議な点があればそれはほぼゾンビだな。
ヒューイ:任せろ、私は審査官界隈でも「鷹の目」と書いて「ホークアイ」と呼ばれるほどの眼光だ。
ショーン:頼もしいな、ホークアイ。
ヒューイ:任せてくれ。さあ、早いところ仕事を終わらせて今日はコニャックで乾杯だ。
ショーン:楽しみにしてるぜ、ブラザー。
0:けたたましいブザーの音が鳴る。モニターに人物が投影され、マイクとスピーカーの電源が入る。
0:ヒューイはモニターに映る怪しき「それ」に向かい質問を繰り出した。
ヒューイ:聞こえるか?名前と出身地を教えてくれ。
ゾンビ?:ぐおおお・・・・(うなり声)
ヒューイ:よし、通れ、緑のボタンぽちー。
ショーン:まてまてまてまてまて!!!!!
ヒューイ:どうしたんだ、ブラザー。
ショーン:おまえだよ、どうしたんだはおまえだよ。
ショーン:どう考えてもゾンビだろ、「ぐおおお・・・(うなり声)」って書いてあるだろ。
ショーン:ゾンビ以外である?そんな表記ある?ないでしょ、(うなり声)って。
ショーン:ゾンビかライオンか腹を空かせたクマくらいだよ、そんな表記あるの。
ヒューイ:どう見ても鼻づまりのひどい只の人間じゃないか。
ショーン:どこがだよ!!
ゾンビ?:あ、すいません、鼻づまりがひどくって……
ショーン:なんでだよ!!!
ヒューイ:私の異名は「鷹の目」と書いて「ホークアイ」、鋭い眼光と観察眼で審査官界隈でも有能とされてきた。
ヒューイ:もう少し信用してくれよ、ブラザー。
ショーン:……そ、そうだな、すまない、少し気を張りすぎていた、すまない、ブラザー。
ヒューイ:いいって事さ、信じてくれてありがとう、早いところ終わらせてフィナンシェでスイーツパーティでも始めようぜ。
ショーン:あ、ああ。そうだな!はじめよう!
0:けたたましいブザーの音が鳴る。モニターに人物が投影され、マイクとスピーカーの電源が入る。
0:ヒューイはモニターに映る怪しき「それ」に向かい質問を繰り出した。
ヒューイ:聞こえるか?名前と出身地を教えてくれ。
ゾンビ?:な、名前は……ぐ、ぐぶお……おが、おぐるあああああ
ゾンビ?:ニク……ニグゥゥゥゥ……
ヒューイ:よし、緑。
ショーン:すとーーーーーーーっぷ!!!!!
ヒューイ:またかブラザー、今度はどうした。
ショーン:だめだろ、途中で理性を失って人肉を求める悲しきモンスターになってるだろ。
ショーン:どう考えてもゾンビだろ、これがゾンビじゃなかったらもはや何がゾンビなんだよ。
ヒューイ:何を言ってるんだ、ブラザー、ちゃんと名前を言ってるだろこの人は。
ショーン:どこが!?
ヒューイ:ニックさんだ。
ゾンビ?:どうも、ニックです。
ショーン:なんでだよ!!
ゾンビ?:あがり症なもので……
ヒューイ:ほら、な。
ショーン:とんだあがり症だな!?
ゾンビ?:すいません、こういうこと初めてで。
ショーン:こっちも初めてだよ、緊張しすぎてゾンビみたいになるやつ。
ヒューイ:ブラザー、もういいだろ?その人を早くシェルターへ。
ヒューイ:あたたかいスープは彼のものだ。
ショーン:す、すまなかった……
ヒューイ:いいのさ、ブラザー。天才というのはいつも理解されないもの。
ヒューイ:私の異名は「鷹の目」と書いて
ショーン:ホークアイな、わかった、わかったよ。
ヒューイ:さ、早く終わらせてキンキンに冷えたペプシコーラで一杯やろう!
ショーン:なんか色々不安になってきた……
0:けたたましいブザーの音が鳴る。モニターに人物が投影され、マイクとスピーカーの電源が入る。
0:ヒューイはモニターに映る怪しき「それ」に向かい質問を繰り出した。
ヒューイ:聞こえるか?名前と出身地を教えてくれ。
ゾンビ?:わ、私の名前はアイザック。出身はベンベック州だ。
ショーン:お、これは問題ないんじゃないか。
ヒューイ:まだだ。アイザック、ここに来るまでどこでどう過ごしていたんだ?
ゾンビ?:そ、そんな事関係あるのか?
ショーン:そうだよ、ブラザー。ベンベック州から来たなら問題ないはずだろ?何を気にしてるんだ?
ヒューイ:「鷹の目」いや「ホークアイ」のカンってやつさ。
ショーン:言い直したけどそれ同じ意味だよ。
ヒューイ:さあ、アイザック、ここに来るまでどう過ごしていたか言うんだ。
ゾンビ?:ま、マーケットに隠れていたさ。
ヒューイ:マーケットのどこ。
ゾンビ?:関係ないだろ!そんなの!
ヒューイ:あるさ、言うんだ。
ゾンビ?:マーケットの中の本屋だよ!!!
ヒューイ:……やはりな。アイザック、最後の質問だ。
ヒューイ:「ネコ」の対義語はなんだ?
ショーン:おいおい、ブラザーそんなの「イヌ」に決まってるだr
ゾンビ?:「タチ」
ヒューイ:この腐れゾンビめ!!!赤だ!!!!
ゾンビ?:ぐおおおおおおお!!!!(うなり声)
ショーン:なんでだよ!!!
ヒューイ:この「鷹の」……いや、「ホークアイ」の目はごまかせない!!!
ショーン:腐女子(腐男子)をゾンビ認定すな。
ヒューイ:見てみろ、現に奴らはインターネットの海にはびこり、感染を拡げていっている。
ヒューイ:間違いなくゾンビの一種だ。
ショーン:そういうことじゃねえのよ
ショーン:鷹の目たいしたことねえぞこれ!!
ヒューイ:……よく見てみろ、ブラザー。奴の首筋を。
ショーン:首筋って……こ、これは。
ヒューイ:そう、噛みつかれた痕だ。
ショーン:ま、まさかブラザー。こうして他愛ない会話で時間をかせぎ
ショーン:からだの傷までも確認していたのか。
ヒューイ:当たり前だろ、ブラザー。私を誰だと思っている?「鷹の目」とかいt
ショーン:はいはい、ホークアイホークアイ。
ヒューイ:言わせてよ
ショーン:やだよ、なんか恥ずかしいもん
ヒューイ:いいじゃん、言わせてよ
ショーン:いいからやろうよ
ヒューイ:……さあ!早く終わらせてビスコで強い子パーティでもしようぜ!
0:けたたましいブザーの音が鳴る。モニターに人物が投影され、マイクとスピーカーの電源が入る。
0:ヒューイはモニターに映る怪しき「それ」に向かい質問を繰り出した。
ヒューイ:聞こえるか?名前と出身地を教えてくれ。
ゾンビ?:ぐおおお……(うなり声)
ショーン:もうこれはだめだろ、だめなパターンだろ
ヒューイ:そうか、ここまで大変だったろう、ここまではどうやって来たんだ?
ゾンビ?:ぐるるるる……ぐが……にく、にくううううう!!!!!
ヒューイ:な、なんと!ではまだ街には生存者が!!
ゾンビ?:ゴロ・・・シテ・・・ぐるる・・・ゴロジデグレ・・・
ヒューイ:ではすぐに救援部隊を送ろう、有益な情報感謝する。
ゾンビ?:アアアア……エミリイ・・・サイゴニヒドメ・・・アイダガッダ・・・
ヒューイ:じゃあ緑っと
ショーン:ストップ・ザ・ユア・ハンド!!!
ヒューイ:どうしたんだブラザー、さっきから何度も止めて
ショーン:あかんて
ヒューイ:何が
ショーン:もうあかんて
ヒューイ:なにがよ
ショーン:「ゴロジデ・・・」っていってるじゃん
ショーン:もう最後の自我でなんとか人として意識があるうちに・・・ってこの人も思ってるじゃん
ショーン:それはもうだめなやつじゃん
ショーン:それはもう完全にゾンビのやつじゃん
ヒューイ:ちょっと特殊なくしゃみだっただけだよ
ショーン:そんなくしゃみ聞いたことねえよ
ゾンビ?:ゴ・・・ゴロジデッ!!!
ヒューイ:ほら、すごい鼻水もでてる
ショーン:そんなわけあるかよ!
ショーン:仮に、仮にだ、それがくしゃみだとしよう
ショーン:そのあと「最後にエミリーに会いたかった」って言っちゃってるじゃん
ショーン:もうだめだよ、それはもうウォーキングデッドだったらこの後にイカした洋楽が聞こえて
ショーン:エンディング流れるやつだよ。シーズンの終わりのやつ。そういうゾンビのやつだよ。
ヒューイ:あれはしゃっくりじゃん
ショーン:そんなしゃっくりがあってたまるかよぉおおおおおおおお
ゾンビ?:エミッリィ・・・ヒトッメッ・・・ひっく
ヒューイ:ほら
ショーン:あってたまるかよって!!
ゾンビ?:あの、もういいすか、ちょっと寒くって、早く中入りたいんですけど
ショーン:なんでだよ!!!!!もう完全にゾンビのそれだったじゃん!
ショーン:ゾンビのやつだったじゃん!反応がさ!
ヒューイ:私がゾンビを見逃すわけがないだろ、ブラザー、いい加減にしてくれ
ショーン:もう何も信じられない
ヒューイ:さあ!早いところ終わらせてスシローとはま寿司の違いについて語ろう!!
0:けたたましいブザーの音が鳴る。モニターに人物が投影され、マイクとスピーカーの電源が入る。
0:ヒューイはモニターに映る怪しき「それ」に向かい質問を繰り出した。
ヒューイ:聞こえるか?名前と出身地を教えてくれ。
ゾンビ?:ゾンビです。
ショーン:はいもうだめ、赤。
ヒューイ:赤じゃない!緑だろ!
ショーン:だめだよ、言ってるもん、自分で、ゾンビです、って。
ショーン:認めたくないけど、言ってるもん、ゾンビが自分で、ゾンビですって。
ショーン:聞いたことないよ、ゾンビが自分でゾンビですって名乗るなんて。
ショーン:でももう名乗ってるし、名乗っちゃってるし、名乗ってたらもうだめじゃん。
ショーン:それはもうゾンビのやつじゃん。だめだよ。もうそれはさ。
ヒューイ:全国の「ゾンビ」って名前の人に謝ったほうがいいよ。
ショーン:謝るか!!!こんな非常事態を想定してリスクヘッジしなかった方が悪いだろ!
ショーン:なんだ、名前が「ゾンビ」って。どういう気持ちを込めて親はつけてるの?
ゾンビ?:そりゃあ、「未来永劫長生きできますように」っていう気持ちで。
ショーン:っていう気持ちでそうはならないだろうよ!!
ショーン:そも死んでんのよ、ゾンビだとそも死んでんのよ!!
ヒューイ:死してなお、踏ん張り続けるという気概、感服です。
ショーン:前向きか!!!
ゾンビ?:ありがとうございます、自慢の名前です。
ショーン:この状況で誇るな!!
ヒューイ:ちなみに名字のほうは・・・?
ゾンビ?:ミイラです。
ショーン:死人のハイブリッドかよ!!
ゾンビ?:ミドルネームはエンジェルです。
ショーン:間ぁぁぁぁ!!!!!
ショーン:そこは間も統一しろよ!!!
ヒューイ:ゾンビ・エンジェル・ミイラ、とても神々しいお名前ですね。
ショーン:間だけだよ、神々しいの。両隣腐り落ちとるやん、もはや。色で言ったら茶色と緑と黄ばんだ白だよ。
ヒューイ:さっきから失礼だよ、ブラザー。
ショーン:失礼とかじゃないじゃん、もう。
ヒューイ:でもね、赤なんだよね、ぽち。
ゾンビ?:んぎゃああああ!!!!
ショーン:え・・・・な、なんで・・・・?
ヒューイ:見てみなよ、彼の小指を。
ショーン:こ、これは・・・噛み痕・・・!?
ショーン:ま、まさか、ぶ、ブラザー。
ヒューイ:私の異名は「鷹の目」と書いて「ホークアイ」と読むのさ。
ショーン:ホークアイすげー!!!!
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