2.21 戯言(ギジン屋の話)


ついに「ギジン屋の門を叩いて」がファボ数100を達成しました。
約1ヶ月でここまで来れたのは本当にありがたみの連続。
沖田メンタるクリニックでシナリオの楽しさに気づいて、VISITで名前が売れて、そこからずっと自身が燻っているような感覚が拭いきれなくて。
「本当に書きたいものがかけてるのかな」
「そもそも自身の書くものって本当に面白いのかな」ってスパイラルにずっと囚われてたんですよね。
何個も短編を作りながら、色んな実験や試行錯誤を繰り返して
ある日急に眞門というキャラクターがおりてきたんですよね。


◻️寺門 眞門について

そもそもとして、ギジン屋シリーズは「単発」の短編として考えていました。
ちょうど沖田シリーズのネタ探しで、神話やら悪魔やらの話を探しているうちに、気づいたら「門」という漢字を調べあげてました。
この門という漢字が不思議なもので、別の漢字がその門の真ん中に来るだけで意味がガラッと変わるんですよね。

それをピンっと思いついた瞬間に、既にこの寺門眞門という男が脳内で、あのセリフを吐いていました。

「開、という漢字の真ん中は「両手」という意味だ。門は手で開くもの、手を汚さずに生きる事など出来やしない。」

と。
そのセリフと眞門という人物像が、シュバッと脳裏に浮かんでからは、執筆はスラスラスーラでした。
日本かぶれで、アマイモンが好きな、甘党で天パの自称悪魔。皮肉屋で、性格に難ありだけど、一度認めた相手にはとことん甘い。
悪魔と称しているのに、どことなく人間くさいような、そんな感じの人物像。
作務衣とホットミルクをこよなく愛し、毎回話の最後になんらかの教訓を説く。


あ、これドラえもんじゃん


「門」という漢字。
「ドラえもん」。
「アマイモン」。
なんか色々な「もん」に囲まれて、名前には必ず「門」を入れる、というのが自身の中で固まりました。
当初よりストーリー構成としては、のび太役として毎回困り果てたお客人が眞門に泣きついてくるという「ブラックなドラえもん」をイメージしてたので、この辺りの構想は同時進行でズバーっと決まりました。

で、じゃあなんで「寺門眞門」になったのか?
そこには、色々な偶然が重なります。
まずそもそも、「アマイモン」からはじまっていること。
アマイモンというのは、悪魔の名称なんですね。この「アマイモン」と「甘党」というキャラクタをなんとかセリフにして
「アマイモン(甘い物)が好きだ」を言わせたかったわけです。

となると、アマイモンという名前にする訳にはいかない。

そして、「アマイモン」には「マモン」という別の悪魔と同一視をされる説があるという記事を見つけます。

マモンという名前が決まった時には、もう「寺門」も決まりましたね。
そう、ダチョウ倶楽部の「寺門ジモン」さん。
ネイチャーさんですよ、ネイチャーさん。

キャラクターを愛してもらう、ないし記憶に留めて貰うためには
「そもそも聞き馴染みのある音」に類似しているのが一番手っ取り早いと考えました。

あだ名の付け方とかも、
キムラタクゾウなんて名前の人も「あの人はキムタク」みたいな覚え方したら、多分二度と忘れないじゃないですか。
なので、「寺門ジモン」に響きもほとんど同じな「寺門眞門」をまず重ねたんですね。

そして、「ギジン屋」という名前。
これは、マモンという悪魔そのものがよく
「擬人化」される悪魔であることから「ギジン」というワードは外せませんでした。
「擬人」の「ギジン」であると言うのが、まず最初に来るんですね。
そして最新話で話として触れていますが「偽の神」ギジン、からも由来がきています。

でも、一番最後のトドメを刺したのは
またまた「寺門ジモン」だったんですね。

寺門ジモンの本名

義人(よしひと)

ギジンやん!!!!!!

つまりギジン屋というのは、寺門ジモンのことであり、焼肉屋さんなんですね、きっと。
冗談はさておき、そんな遊び心や、言葉の遊びからこの寺門眞門という人物像が出来上がりました。


◻️Monster GIGSに関して

そもそもギジン屋を語る前に、この「MonsterGIGS」というシナリオになれなかった物語の話も触れないといけませんでした。

何でも屋「論議島エラフェ」という女所長と、巨漢の男「アスクレピオス」が「ひらがなの怪」が起こす事件を、依頼者と共に解決していくというバディ物のシナリオプロットでした。

門の漢字を使う着想も、この「ひらがなを使う」という、MonsterGIGSというシナリオから引っ張ってきています。

「じゃあなんでそもそも、MonsterGIGS書かなかったの?」というところ。

答えは単純で、シナリオ向きじゃない気がしたから。
モノローグやナレーションがなくても成り立つお話じゃないと、会話劇としてシナリオにできないと思ったんですね。
このMonsterGIGSはその中でも「アスクレピオス」というキャラクターの、解決後の変貌が重要だったのですが、どうにもそれが「小説」でないと表現ができない。
その為、MonsterGIGSはギジン屋という物語に生まれ変わりました。


◻️猫宮 織部

変人 眞門の傍には、なんてことは無い普通の反応をする女の子がどうしても必要でした。
それは、眞門という変人の卑屈さを表すためでもあり、話の通じない眞門と、依頼主を結びつける通訳が、必要だったからです。

元々ギジン屋は短編予定でしたが、もしも好評で続きを書くことが許されるなら……という前提のもと
猫宮という苗字と、火車つきの設定がありました。
別に猫村でも猫谷でも良かったんですが

なんか猫宮の方が可愛いやん。


そして、織部という名前は
眞門が甘党というところから、「甘味」の隣にはいつも「お茶」があり、その茶器によく使われる焼物の種類に「織部焼き」が多いからという理由でした。

また、猫宮さんがネットミームをよく多様するのは
第1話において、ト書や、ナレーションを介さずに「ここが現代である」ということを伝える為の手法でした。
なにより第1話では「その世界を知ってもらうための説明」と「面白さ」を表現する必要があり
その為には「言葉を洗練」し「なるべく端的に物語がわかるようにする」必要がありました。
「日本かぶれの悪魔が現代にいる」
その為の眞門のあの偉そうな口調と、猫宮のネットミームが必要だったんですね。
そして猫宮のネットミームは、物語のクッション役、ブレイク役としてその後も効果を発揮します。

◻️会話劇と朗読

今回のシリーズでやりたかったことは、
「ボイコネだけにとどまらない楽しさの仕掛け」と、「演技派と朗読派がマウント取らずに仲良くやれる」ものを作りたかったということ。

会話劇というのは、1から100までを書く必要はないと思っています。
なぜなら、その「語らない隙間」をキャストと読み手が想像することで、バックボーンに深みが増すから。
その為、ギジン屋という話は「会話の最中」「場面の最中」から話がはじまります。
その前にもしかしたらこんな会話が発生していたのかも?
こんな感情があったのかも?
それを表現できたとき、面白さが上がるんだろうなあ、なんて思いながら。でもシリーズシナリオとして表現したときに、どうしても描ききれない他のキャラクターたちのバックボーンを、どうにかして表現したい。

そこで生まれたのが
「会話劇である本編」と「それを補完するための番外群読」に分けると言う、手法でした。

それにより、普段演技しかしない人は朗読に触れ
普段朗読しかしない人は、演技に触れる。

それが、同じく枠の中で出会ったときに
お互いのリスペクトが生まれたらいいな、とおもいながら。


今日の語りはここまで。
またお会いしましょう。

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サイコパスとスーサイドの夜明け。 小説/台本/SS/現代詩/コミュニティ

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