スレッジハンマー選択肢①
選択肢①
「慈しみ」が「魚塚」を喰らう。
デイアフター:「慈しみ」!!!
デイアフター:「御前」が、思う事を成せ!
デイアフター:それが、それこそが「モンストロ」の本能であり
デイアフター:「正しき事」。
「慈しみ」:……ごめんなさい……。
「慈しみ」:ごめんなさい!ごめんなさい!!!
「慈しみ」:私……私ずっと後悔してた……
ストルツキン:「慈しみ」……?
「慈しみ」:どうしてあの時、丸のみにしてしまったんだろうって!!!
「慈しみ」:どうして、焦らずきちんと7つに分けなかったんだろうって!!!
「慈しみ」:ダメなの、ダメなのよ。
「慈しみ」:どう取り繕うと、どう胡麻化そうと。
「慈しみ」:私、私……
「慈しみ」:『ニンゲン』が、好きで、好きで、堪らないの……
「慈しみ」:「食べてしまいたいくらい。」
0:夜でもない、この「深層」で。
0:「慈しみ」の身体はみるみる毛を生やし、
0:くちもとは、ハンカチーフで拭うこともできない程に
0:よだれでいっぱいになっていた。
0:これこそが、「モンストロ」であり
0:これこそが「ダウナーホール」。
0:地獄に落ちる程、罪を犯した罪人の
0:唯一の、魂の浄化の仕方なのだから。
0:そうしてモンストロは「獣(けだもの)」の姿となった。
0:その「モンストロ」の名は「慈しみ」。追い求め、すがりつき
0:一番の「愛」を求めた「獣」。「それ」は刹那、魚塚にかじりついた。
「慈しみ」:ひとつ。
魚塚:ぐわあああああ!!!
「慈しみ」:ああ、なんて甘美な匂い。ふたつ。
魚塚:痛い……痛い、やめて、やめてくれ!!
「慈しみ」:もう止まれない、こんな甘い匂い、嗅いだことが無い。みっつ。
魚塚:ああああああ!!!!
0:「慈しみ」が数を数えながら、魚塚の四肢をもいでいく。
0:あのストルツキンですら、抗えない程のよだれが流れていく。
0:辺り一面に、甘美な、嗅いだこともないにおいが充満する。
「慈しみ」:よっつ、いつつ、むっつ。
魚塚:ああああああああ!!!!いたい!!!いたい!いたい!いたい!
0:叫び声など、「モンストロ」にはとうに聞こえていない。
0:感じるのは、甘さと、耐えがたい空腹感だけ。
「慈しみ」:「ななつ」。
0:もう、叫び声も聞こえない。
0:『彼』のクチは、私の身体なんかより幾分(いくぶん)大きく
0:『彼』がその気になれば私なんて一飲みできてしまうことは
0:容易に想像ができた。
0:暗い横穴に潜みながら、私と『彼』は少しずつ
0:互いの事を話した。
0:この『街』では、みんながギラギラと
0:『幸せ』になる事を望んでいて
0:でも、『誰かを幸せにしてやろう』なんて考える人は
0:ひとりも居なくて。だから『モンストロ』は。
0:『獣(けだもの)』なんだ、って。
0:そう話す『彼』の目は、私よりも数が多く、
0:ぎょろりと動きながら、哀しくそこに在った。
『慈しみ』:ああ……なんていい匂い。
『慈しみ』:素敵なにおいね。肌も、すっごくつるつる。
『慈しみ』:さ、触ってみてもいいかしら。
『慈しみ』:ああ……すごい、突っ張ってない。
『慈しみ』:やわらかくて、でも張りが無いわけじゃない
『慈しみ』:まろやかで、細胞ひとつひとつが細かくて
『慈しみ』:大丈夫、何も怖くなんてないわ、私は『慈しみ』
『慈しみ』:「私ね、『ニンゲン』が大好きなの。」
「慈しみ」:……ごちそう、さま。
0:血だまりに佇むのは、「3匹」のモンストロ。
0:口元を真紅に染めながら、泣いているのか、笑っているのか。
0:周囲に漂うは、あまいにおい。
0:すっぱいも、しょっぱいも、あまいも、苦いも、なにもかも。
0:変わらず、「彼」に結ばれた「リボン」が、哀しく揺れるだけだった。
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0:Bエンディング
0:「それがモンストロなのだから。」
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