スレッジハンマー選択肢②
選択肢②
「魚塚」が「モンストロ」を殺す。
ライム:「ねえ、魚塚」
魚塚:上等だよ、デイアフターぶち殺してやる。
ライム:「魚塚は、どうして元の人間界に戻りたいの?」
魚塚:離せストルツキン!!!邪魔するならお前も同じなんだよ!!ああ!?
ライム:「えー、だって、気になるじゃない。しんどかったんでしょ?」
魚塚:離せって言ってるのが聞こえないのかよ!!なあ!?
ライム:「しんどいのに、戻るの?」
ライム:「かわってるなあ、魚塚は。」
ライム:「だって、魚塚はもう今までの人生が嫌になって」
ライム:「だから、自分で命を絶ったんでしょう?」
魚塚:離せ!!!!!
0:そして、最初の一振りがストルツキンに当たる。
0:がおん、と音をたてて振りかぶったそれはもはや「裁きの鉄槌」と呼ぶには
0:鈍く、そして、「愚か」だった。
0:ひとつ、穴が空く。
ライム:「ふうん、そっか、うん、そうだよね。なんかわかるような気がするなあそれ。」
0:滴り落ちるのは、「人間」と同じ、真紅の血に違いなかった。
0:ひしゃげた「顔であったもの」の毛に結ばれたリボンが、哀しく揺れる。
ライム:「でもさ、偉いよ、魚塚は。」
ライム:「だって、そんなにつらい事があったのにさ、こうしてまた何かを考えて行動するんだろう?」
0:再度振りかざすその「スレッジハンマー」は、赤く線を引きながら「慈しみ」へと向かう。
ライム:「すごいよ。」
0:べしゃり、と軽くすり潰れるその「頭だったもの」の中は
0:後悔が詰まっていたのか。
0:それとも、懺悔が詰まっていたのか。
0:それは、一体何に対しての「後悔」なのかもわからぬまま。
0:ふたつ、穴が空く。
魚塚:はぁ……はぁ……
ライム:「え?連れてってくれるの?人間界に?なんで?」
魚塚:返せよ、デイアフター……。
デイアフター:何度も言っている、そもそもが「私」の半身であったのだから。
魚塚:約束したんだよ!!!!!!人間界につれていくって!!!!
ライム:「やった!!へへへー!!!やったー!!!」
魚塚:お前らモンストロがどうかとか関係ない!
魚塚:魂の浄化?ダウナーホール?正しさ?
魚塚:知らねぇよ!!大事にしたいのは、大事にしたかったのはいつだって
魚塚:自分と、その自分が大事にしたいもんだけだろ!
魚塚:両手しかねぇんだよ!この身体には両手しかない!
魚塚:こうして!このスレッジハンマーを握る事も!両手でしかできない!!
0:振りかぶるそれは、「神の鉄槌」。
0:もしそこに、愛が芽生えていたのだとしたら。
ライム:「じゃあ、やくそくだー!その分一生ライムがそばにいてやるよ!」
0:振り下ろされた鉄槌(てっつい)は、この胸に穴を空ける。
0:みっつ、穴が空く。
0:マッチ缶を振ってみると、からからと心臓が跳ねる音がして。
0:その音を、調律師と呼んだ。
0:儚げなフリをした、獣の耳朶(みみたぶ)は
0:穴を空けるにはおしく
0:かと言って鼻腔(びくう)の先は虚空(きょくう)でしかなく
0:透かして見せた未来には、
0:あの子の涙しか存在しなかった。
0:「割いた胸を、何度眺めても、その舌の根は乾かない」
0:モンストロは、理由も、結末も
0:分からずにただ、咆哮(ほうこう)だけがその穴に響いた。
0:明日の夜明けなど、食らいつくせたらよかった。
魚塚:そして、こうやって、振り下ろす。
ライム:こう、こういう感じ?
魚塚:そう、そんな感じ
ライム:ちょっとまだ難しいなあ
魚塚:なんてことないよ、数を数えながらタイミングを合わせればいい。
ライム:わ、わかった、やってみる。
魚塚:ひとーつ
ライム:えい
魚塚:ふたーつ
ライム:おりゃ
魚塚:みーっつ
ライム:おら!
魚塚:よーっつ、いつつ、むーっつ!
ライム:ほいよっと
魚塚:ふう、ほら、簡単だったろ?
ライム:うん!思ってたより!なあなあ、魚塚(うおつか)。これってなんなんだ?
魚塚:知らないのか?モンストロは遅れてるなあ
ライム:なっ、モンストロ差別だぞ!人間だからって生意気だ!
魚塚:ごめんごめん
ライム:ぷんぷん
魚塚:これは……墓標だよ。
0:高く掲げた「大きな槌(つち)」が、
0:モンストロを、殺していく。
0:一面に広がる真紅の血は、「人間」となんら変わらず
0:その匂いこそが、「墓標」となっていた。
0:がらりと音を立てて、「スレッジハンマー」は横たわる。
0:片方の手だけじゃ、もう、握れない。
0:
0:
0:Cエンディング
0:「スレッジハンマー」
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