green boots(0:0:2)
【配役】
ウィンストン:売れない画家。物語の中では男性だが、性別不問とする。
メイヴ:国立劇団の俳優。物語の中では男性だが、性別不問とする。
ーーー
: 「greenboots」
:
ウィンストン:その本も、要らないのかい。
メイヴ:ああ、もう必要ない。
ウィンストン:なら貰ってもいいかい?国立劇団の演技指南書だなんて、中々お目にかかれるもんじゃない。
メイヴ:好きにしたらいいさ。
ウィンストン:じゃあ、ありがたく。
メイヴ:明日の朝イチの飛行機で、帰るよ。
ウィンストン:明日かあ。
メイヴ:ああ、明日だ。
ウィンストン:寂しくなるなあ。
メイヴ:そう?
ウィンストン:そうだよ。
メイヴ:すぐに慣れるさ。
ウィンストン:慣れたくないよ、そんなの。
メイヴ:まあ、それもそうか。
ウィンストン:それにしても急だよ、メイヴ。
メイヴ:……悪いね、我儘(わがまま)を通してしまって。
ウィンストン:いや、それはいいんだけどさ。
メイヴ:でも、大変だろ?すぐにルームシェアの相手を見付けるのは。
ウィンストン:いやそれはなんとかなるよ。
ウィンストン:ほら、友達多いからさ。
メイヴ:羨ましい限りだよ、ウィンストン。
ウィンストン:まあ、それだけが取り柄みたいなところもあるから。
メイヴ:……羨ましいよ。
ウィンストン:……なんか、あったの?メイヴ。
メイヴ:……いいや?なんもない、なんもないよ。
ウィンストン:嘘だよ。なんもない人間が、そう簡単に国立劇団を辞めて国に帰ろうとするかい?
メイヴ:……なんもないから、帰るんだよ。
ウィンストン:どういう事?
メイヴ:そのままの意味さ。
ウィンストン:君に「なんもない」って?そんな馬鹿な。
ウィンストン:ホリベス芸術大学の首席だよ?
メイヴ:そう思ってたさ。
ウィンストン:君の演じた「レ・ミゼラブル」も「ロミオとジュリエット」も
ウィンストン:どの教授も大絶賛だったじゃないか。
メイヴ:ああ、そうだった。
ウィンストン:それで、「なんもない」って?
ウィンストン:勘弁してよ、メイヴ。
メイヴ:でも、それはあくまで「学生の中で」の話なんだよ、ウィンストン。
ウィンストン:……どういうこと?
メイヴ:ごまんといるのさ、「ホリベス芸術大学首席のメイヴ」なんて。
ウィンストン:……メイヴ?
メイヴ:降ろされたんだよ、主役から。
ウィンストン:お、降ろされたって……
メイヴ:ああ、来月公演予定だった「マクベス」だよ。
ウィンストン:ら、来月だよ!?そんな、このタイミングで主役変更!?
メイヴ:ああ、笑えるだろ?
ウィンストン:あ、余りにもだよそれは。
ウィンストン:一体何をしたんだい、メイヴ。
メイヴ:なにも?
ウィンストン:なにもって、なにか問題でも起こさないとそんな事にはならないだろう?
メイヴ:ウィンストン。
ウィンストン:な、なに?
メイヴ:君は、画家だな?
ウィンストン:そ、そう、だけど。
メイヴ:いま、どんな絵を描いてるんだ?
ウィンストン:きゅ、急になに?どうしたの?
メイヴ:どんな、絵を描いてるんだ?
ウィンストン:……シュルレアリスム。
ウィンストン:抽象画ってやつだよ。
メイヴ:へえ、抽象画か。
メイヴ:画家には詳しくないけど、所謂(いわゆる)あれだろう?
メイヴ:ダリや、デ・キリコ、ベーコン。
ウィンストン:そうそう。そういった類(たぐい)だね。
メイヴ:完全にオリジナルなのかい?
ウィンストン:オリジナル……?当然だろう?
メイヴ:ちょっと見せてくれよ。
ウィンストン:それは、構わないけど……まだ完成していないよ?
メイヴ:いいさ、今、見たいんだ。
ウィンストン:んー……これ、だけど。
メイヴ:へえ。ホワイトが強く印象に残るな。
ウィンストン:そう!そうなんだ。
ウィンストン:エベレストの積雪(せきせつ)をモチーフにしていてね、その白い山脈の中に時間という概念が無数に存在していて
ウィンストン:その時間に触れる事で登山家達は少しずつ感動を加速させたり
ウィンストン:はたまた頂上への道を憂(うれ)いたりする。
メイヴ:……。
ウィンストン:そんな、四次元的な要素を表現してみたんだ。
メイヴ:へえ……。
ウィンストン:この時計の針が山にもたれている所とか、すごいこだわったんだ。見てよ、ほら、よくかけてるだろ?
メイヴ:サルバドール・ダリだ。
ウィンストン:……え?
メイヴ:サルバドール・ダリだよ。
ウィンストン:……何がだい?
メイヴ:その絵の構図さ。
ウィンストン:メイヴ。
メイヴ:あまり絵画に詳しくなくてもわかる。
メイヴ:サルバドール・ダリの「記憶の固執(きおくのこしつ)」の構図そのものだ。
ウィンストン:……メイヴ。
メイヴ:それこそ、様々な時計というイメージが正しく(まさしく)ダリのそれだ。
メイヴ:ごつごつとしたクレウス岬と、カマンベールチーズのように溶ける時計との対比が初期のダリの思想を彷彿(ほうふつ)とさせる。
ウィンストン:メイヴ!!!
メイヴ:どんな気分だった?
ウィンストン:君と友人でいることを恥じるくらいには最低の気分だよ!
ウィンストン:なんだい?故郷に帰る前にそうやって馬鹿にするために
ウィンストン:絵を見せろなんて言ったのかい?
ウィンストン:だとしたら君は相当な厄介者だぞ!
メイヴ:そうだよね。
ウィンストン:そうだ!
メイヴ:同じさ。
ウィンストン:そう、同じだ!……って、え?
メイヴ:「あの俳優の演技を踏襲(とうしゅう)しすぎている」
メイヴ:「新鮮味がない」
メイヴ:「どこかで見たような演技だ」
ウィンストン:……メイヴ、それって。
メイヴ:そうして、「マクベス」は去年入団してきた現役高校生が演じる事になった。
ウィンストン:……メイヴ。
メイヴ:信じられるか?
メイヴ:そいつは終始、「マクベス」をとびきりの笑顔で演じた。
メイヴ:あの悲劇を、笑顔で演じ続けるやつを見たことがあるか?
メイヴ:マクベスはコメディじゃない。
メイヴ:どうあったって、最後には「死」が待つ、完全なる悲劇だ。
メイヴ:それを、座長は、そいつの演技を見て、
メイヴ:残り一ヶ月しかないとしても
メイヴ:「変えるべき」と判断して、私を降ろしたんだ。
ウィンストン:……それは、なんと言うか、その。
メイヴ:まさに悲劇だろ?
ウィンストン:そう、だね。ごめん、そうとしか言いようがない。
メイヴ:ああ、だけど。
ウィンストン:だけど?
メイヴ:別にそんな事で、国に帰ったりするわけじゃないさ。
ウィンストン:な、なんだい、違うのかい。
メイヴ:ああ。
ウィンストン:もう、やめてくれ。
ウィンストン:心臓に悪いよ、メイヴ。
ウィンストン:伝えられる語彙(ごい)が無さすぎて、どうしていいかわからなくなってたんだ。
メイヴ:……なんで、エベレストを描こうって思ったんだ?ウィンストン。
ウィンストン:……ん?なんでって、エベレストは一番高い山じゃないか。
メイヴ:まあ、そう、だな。
ウィンストン:一番高くて、一番恐ろしくて、一番憧れる最高の山だろ?
メイヴ:ああ、その通りだと思うよ。
ウィンストン:……なんか飲む?メイヴ
メイヴ:……急になんだ?
ウィンストン:それはこっちのセリフだよ。
ウィンストン:さっきからおかしいのは君の方だ。
メイヴ:……生憎(あいにく)、マグカップはもう箱詰めしてしまったよ。
ウィンストン:そんなの!僕のを使えばいいさ!
ウィンストン:何が飲みたい?なんでも用意するよ。
メイヴ:……チャイ。
ウィンストン:チャイ?
メイヴ:ああ、チャイが飲みたいな。
ウィンストン:ふふ、いいよ、すぐ準備する。
メイヴ:……ありがとう、ウィンストン。
ウィンストン:どうってことないよ。
ウィンストン:同じ、芸術家であり、表現者である仲間への餞別(せんべつ)さ。
メイヴ:……ありがとう。
ウィンストン:……そう言えば、よく二人で行き詰まった時もこうしてチャイを飲んだ気がするよね。
ウィンストン:お互い、全然畑の違う芸術なのに妙に馬が合ってさ。
メイヴ:……そう、だな。
ウィンストン:でも、そっか、そうだよね。
メイヴ:……なにが?
ウィンストン:思えば、降板くらいで夢を諦めるほど君の芸術への情熱は薄くなかったものな。
メイヴ:……。
ウィンストン:さあ、できたよ、メイヴ。
ウィンストン:ウィンストン印の特製チャイだ!
ウィンストン:エベレスト踏破を目指す登山家の多くが
ウィンストン:山頂でチャイを飲むのを目標にしているーなんて話も聞いた事があるよ。
ウィンストン:はい、どうぞ。
メイヴ:……ありがとう。
ウィンストン:カップの底はすごい熱いからね!気をつけてよ!
メイヴ:ああ。
ウィンストン:うあちっ!!
メイヴ:……言った本人が触ってたら世話ないよ。
ウィンストン:ごめんごめん。
メイヴ:……グリーンブーツって、知ってるか?ウィンストン。
ウィンストン:グリーンブーツ?知らないな、君の好みなのかい?緑の靴が。
メイヴ:一生買うことはないと思う。
ウィンストン:じゃあなんなんだい?そのグリーンブーツとやらは。
メイヴ:……エベレスト高度八千メートルに、「それはいる」。
ウィンストン:「いる」?
メイヴ:ああ。
ウィンストン:おとぎ話とか、ファンタジーな話?
ウィンストン:ゴブリンの事をレッドキャップって言うみたいな?
メイヴ:現実の話だよ。
ウィンストン:現実の?
メイヴ:そう。エベレスト登山の何人が「帰ってこない」か、知ってるか、ウィンストン。
ウィンストン:え……?想像したこともないな。
メイヴ:1990年から2006年までの16年間で登山者は7929人。その内死亡者は86人。
ウィンストン:そんなに。
メイヴ:「グリーンブーツ」っていうのは、そうしてエベレストに挑み戻って来れなかった奴らのこと。
ウィンストン:そう、なんだ。
メイヴ:元々は、その高度八千メートルにな。一人の登山家の遺体が放置されてたんだ。
ウィンストン:放置……?
メイヴ:そう。そんな場所、行くのも大変なんだ、遺体の回収なんて出来ないだろう?
ウィンストン:たしかに。
メイヴ:「彼」は1996年から、ずっとそこに居た。
ウィンストン:そんなに前から!?
メイヴ:そうだ。おそらくインド人の男性なんじゃないかと言われてる。
メイヴ:エベレスト高度八千メートルは常に氷点下。
メイヴ:天然の冷凍庫の中で、グリーンブーツは腐らず当時のまま存在し続けた。
ウィンストン:そうか……腐らないからずっとそのままなんだ。
メイヴ:多くの登山家たちは、そのグリーンブーツの地点まで来ることを目標にし、彼の死を悼みながら
メイヴ:頂上を目指すんだ。
ウィンストン:死して尚、多くの登山家にエールを送ってるのか。
メイヴ:「それは、違う」。
ウィンストン:え……?
メイヴ:それは、生きているからこそ
メイヴ:今登っている最中だからこそ
メイヴ:言える言葉だ。
メイヴ:インド人のグリーンブーツ、彼が緑の靴を履いていたから彼らはそう呼ばれるようになった。
メイヴ:そんなグリーンブーツ達が
メイヴ:「未練を残さず」に死んだなんてことがあるはずがない。
ウィンストン:だ、だからその未練を後続の登山家が想いを背負って登るから、美談になったんだろう?
メイヴ:「そんなこと、望んでない」。
ウィンストン:の、望んでない……?
メイヴ:当たり前だろ、どのグリーンブーツも
メイヴ:「自分がその山を踏破したくて」
メイヴ:挑んでるんだ。
メイヴ:少なくともグリーンブーツの彼は
メイヴ:その緑の靴を買った時にそう願っていたはずだ。
ウィンストン:それは、そうかも、知れないけど……
メイヴ:「メイヴさんの演技が好きで、それを超えたくて私はこの劇団に入ったんです。」
ウィンストン:……そう、言われたんだね、メイヴ。
メイヴ:……。
ウィンストン:その、主役になった子に。
メイヴ:そうして登山家たちは、グリーンブーツを踏み台にしていく。
ウィンストン:踏み台じゃないよ、メイヴ。
メイヴ:踏み台だろ、どう考えても、踏み台だ。
ウィンストン:違うよメイヴ、それは「憧憬」だ。君が目標だったんだ、君がエベレストそのものだったんだ。
メイヴ:だけど!踏みにじられたんだ!
メイヴ:後続の!鋭利な靴底が!
メイヴ:私の背中を踏んづけて高みに登っていく!
ウィンストン:落ち着くんだ、メイヴ。
ウィンストン:そうじゃない、そうじゃないだろう?
メイヴ:何がそうじゃないんだ。
メイヴ:私の磨いてきた技術は、感性は、私だけの物のはずだ。
メイヴ:だが、それを、見据えられ
メイヴ:そこを「通過点」として、歩みを進められた。
メイヴ:そうして出来上がっていく彼らの道は
メイヴ:私が死にものぐるいで到達したこの地点よりも
メイヴ:容易く、高みに登るんだ!
メイヴ:私の、私の全力を踏みにじって……!
ウィンストン:メイヴ……。
メイヴ:だからもう、私には何も無い……。
メイヴ:何も無くていいと思った……。
ウィンストン:……それでも僕は、君の演技が好きだよ。
メイヴ:……。
ウィンストン:それじゃダメなのかい、メイヴ。
ウィンストン:確かに、自身の磨いてきたきた技術や
ウィンストン:感性そのものが、誰かにとってのグリーンブーツであることは
ウィンストン:すごく悲しいことだ。
ウィンストン:特にそれがわかりやすく数値で見えたり
ウィンストン:はたまた評価として下るのは耐え難いよ。
ウィンストン:でも、グリーンブーツが夢を語ってはならないだなんで、誰が言っただろうか。
メイヴ:ウィンストン……。
ウィンストン: 何度も何度も、僕だって筆を折ろうと思ったことはあるさ。
ウィンストン:それこそ、その挫折を味わっている時こそ
ウィンストン:表現者は総じて皆、孤独なんだ。
メイヴ:……なんの慰めにもなってない、それ。
ウィンストン:孤独であることは、悪いことじゃないんだよ、メイヴ。
メイヴ:……悪いことじゃない?
ウィンストン:そうだよ。
ウィンストン:僕達表現者は、どう足掻いたってチーム戦にはならない。
ウィンストン:例えひとつの劇団の中にいたって
ウィンストン:例え一人の売れない画家だって
ウィンストン:いままさに、自身を吐き出すその刹那は
ウィンストン:誰だって自分一人との戦いだ、そうだろ?
メイヴ:……。
ウィンストン:その吐き出す瞬間、その、表現が表現として世に産まれる瞬間
ウィンストン:その瞬間が、芸術の中のエベレストそのものだろう……?
メイヴ:その瞬間は、誰でもない、自分一人のものだから
メイヴ:いくら踏みにじられようと
メイヴ:グリーンブーツとして、その場で死んでいたとしても
メイヴ:関係ないって……?
ウィンストン:そうだよ。
メイヴ:そんな訳があるか!
ウィンストン:メイヴ……
メイヴ:違うだろ!そんなはずはない!
メイヴ:孤独だ?孤独なわけがない!
メイヴ:どう足掻いたって、どう言い繕ったって
メイヴ:この事実だけは変わらないだろ、ウィンストン!
メイヴ:「グリーンブーツとして踏みにじられる以前に」
メイヴ:「表現者は皆、誰かをグリーンブーツとして踏みにじってる」んだよ!
ウィンストン:……。
メイヴ:憧れた俳優がいる、目指した劇団がある、焦がれた舞台がある!
メイヴ:その全てが、そのほとんどに
メイヴ:「グリーンブーツ」がいるんだよ!
メイヴ:踏みにじられるのと同じだけ
メイヴ:私も、お前も!
メイヴ:「誰かの表現を踏みにじってここにいる」
メイヴ:オリジナルなんて存在しない
メイヴ:誰かが誰かを真似た事を更に真似て
メイヴ:それを我がもの顔で自身の物だと謳い、
メイヴ:そしてそれを踏みにじられたと駄々をこねる!
メイヴ:こんなのが表現者であっていいのか
メイヴ:いい訳がない!
メイヴ:だから、だから私は……っ!
ウィンストン:……「エベレストを目指す者は、エベレストで死するべきである。」
メイヴ:……。
ウィンストン:登山と表現が、まるで同じだなんて、言わないよ。
ウィンストン:例えに出していたとしても、これらはきっと似て非なるものなんだ。
ウィンストン:でも、メイヴ。
ウィンストン:登山家という生き物は、一度山を目指したのなら
ウィンストン:「山で死ぬ」ことが、最大の誉れなんだ。
メイヴ:……なら、表現者も表現の中で死ねって?
ウィンストン:そうだよ。
メイヴ:何を言って……
ウィンストン:オリジナルなんて、わからないよ。
メイヴ:……。
ウィンストン:君の言う通り、きっとこの絵はサルバドール・ダリの模倣(もほう)なんだ。
ウィンストン:でも、それでもいい。
ウィンストン:贋作だって構わない。
ウィンストン:似せて、真似て、同じだと罵られて。
ウィンストン:それでも、描き続ける。
メイヴ:……ウィンストン。
ウィンストン:「グリーンブーツ」だと、思わせてやればいい。
ウィンストン:いくらでも踏みにじったらいい。
ウィンストン:それでも、描き続けたら
ウィンストン:最期の瞬間に、「この人生が頂上だった」と言えたなら
ウィンストン:もうそれは、誰にも到達できない「エベレストの頂上」だろ、メイヴ。
メイヴ:……誰かを踏みにじるんだぞ、表現を続ける限り。
ウィンストン:踏みにじったらいい。
ウィンストン:そもそもだよ、メイヴ、グリーンブーツが頂上を諦めただなんて誰が決めたんだい。
メイヴ:……。
ウィンストン:「死してなお、グリーンブーツが頂上を目指しているのを」
ウィンストン:「誰もがわかっているから」
ウィンストン:「誰一人、彼の遺体を」
ウィンストン:「埋めたりなんかしないんだよ。」
メイヴ:……。
ウィンストン:メイヴ。
メイヴ:……。
ウィンストン:グリーンブーツなんて、
ウィンストン:エベレストなんて関係ない。
ウィンストン:「君は、どうしたいのさ」
メイヴ:……演技が、したい。
メイヴ:あの舞台に、上がり続けていたい……。
ウィンストン:……じゃあ、やる事はただ一つだろう、メイヴ。
メイヴ:え……?
ウィンストン:君のマグカップを、ダンボールから探し出すよ!
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