びじっとわーるどえんど（0：0：2）

【はいやく】

◆ねこちぇる：ねこです。せいべつはありません。いや、あるけど、あるんだけどないってことにしていいです。あるんだけどね。あるんだけども。

◆わんすたいん：いぬです。せいべつはありません。せいべつがないことも、また、あい。

ねこちぇる:くがつ、さんじゅー……ににち？

わんすたいん:くがつに、さんじゅー、ににちは、ないよ、ねこちぇる

ねこちぇる:あ、そっか！じゃあ、くがつ、さんじゅーにち！で！いいですかね！しんぷ！

わんすたいん:いいと、おもうよ

ねこちぇる:わあい、じゃあ、さっそく、ろくおんを、はじめようとおもいます

わんすたいん:なんの、ろくおんを、するの？

ねこちぇる:ねこちぇるは、しんぶんきしゃなので、これから、する、いんたびゅうーのろくおんを、します

わんすたいん:いんたびゅうー、かあ

ねこちぇる:そうです、なにか、しゃべってみてください

わんすたいん:おおもりむりょう

ねこちぇる:なにかしゃべってっていわれて、おおもりむりょうっていうひと、はじめて、みました

わんすたいん:きもちのいいことばが、すきです

ねこちぇる:ぼくも、すきです、ほかにも、ありますか？

わんすたいん:きもちのいい、ことば？

ねこちぇる:そう！きもちのいい、ことば！

わんすたいん:かろりーおふ

ねこちぇる:わあ！すっごくすっごく、きもちいいかも

わんすたいん:おおもりむりょう、と、かろりーおふ、のあわせわざ

ねこちぇる:どどどど、どっひゃあ！！！きもちいいがにばいにも、さんばいにも、ふくれあがってらあ！

わんすたいん:きょうは、どうしたの、ねこちぇる

ねこちぇる:ねこちぇるね、しんぶんきしゃだから、さんじゅーはちにんころしちゃった、しんぷにね、しゅざいしたいの

わんすたいん:いーよーう

ねこちぇる:わあい、しゅざい、いいのー？

わんすたいん:いいよーう

ねこちぇる:わあい、しんぷ、そしたらね、まずききたいんだけど

わんすたいん:なんでもきいてよね！

ねこちぇる:さいばんのときに、「私はいつでも脱獄できる、準備が整えば明日にでも」ってぇ、いってたらしいじゃない？

わんすたいん:いったー

ねこちぇる:こーれーはー、どういういみなのー

わんすたいん:そのままの、いみだよ

ねこちぇる:えー、どういうことー

わんすたいん:もう、出ているだろう？ねこちぇる、私は今君の目の前にいる。

ねこちぇる:あれれ？

わんすたいん:ここはいつもの面会室ではない、見てみた前、ねこちぇる。ここは、「外」だ。

ねこちぇる:あれれ？と、いうことは？

わんすたいん:私はすでに、脱獄しているよ、ねこちぇる。

ねこちぇる:えええええええ！！！！！だつごくしちゃったの！？

わんすたいん:うん！ほら、そとにいるでしょ！しんぷ、そとにいるでしょ！

ねこちぇる:わあああ、たいへんだ！さんじゅーはちにん、ころした、さつじんきがそとにでてる！たいへんだ！

わんすたいん:はー、そとのくうきは、おいしいなー

ねこちぇる:どれくらいおいしい？

わんすたいん:すきやのうまからすきやきぎゅうどんくらいおいしい

ねこちぇる:なにそれすっごくおいしそう

わんすたいん:おいしそうなことを、ほかのおいしそうなことでたとえたら、よくわかんないねえ

ねこちぇる:ほんとだ、とたんにそとのくうきが、ぎゅうどんのあじしてるみたいに、なってきた！

わんすたいん:おんしゃです！

ねこちぇる:おんしゃ？

わんすたいん:そう、おんしゃ

ねこちぇる:めんせつのときにつかうやつ？

わんすたいん:あ、そうだね、それもおんしゃだね、ねこちぇるおんしゃとかしってるんだね、すごいね

ねこちぇる:なにせ、しんぶんきしゃですからねっ、せいしゃいんですから！えへん！

わんすたいん:すごいね、りくるーとだね

ねこちぇる:うみるーともあるんですか？

わんすたいん:そういうことじゃないね、りくからいく、るーとっていみじゃあ、ないねえ

ねこちぇる:ねこちぇるは、そらるーとで、いきたいですねえ

わんすたいん:そうじゃあ、ないんだよなあ

ねこちぇる:おんしゃって、なんですか？

わんすたいん:おんしゃっていうのはね、えらいひとがね、しかたないからでていいよ、って

わんすたいん:つかまったひとたちをね、だしてあげることだよ

ねこちぇる:おんきせがましい、しゃざいのりゃくですか？

わんすたいん:ふけいざいでつかまるから、あやまろうね

ねこちぇる:ごめんね

わんすたいん:いいよ、ねこちぇるはごめんなさいできて、えらいね

ねこちぇる:あやまるの、とくいです

わんすたいん:世界の終わりが示唆された世界線、という事だ。今まで数多くの世界を繰り返してきたが……目的を達成できずに、世界が終わると言うのは初めてだよ、ねこちぇる。

ねこちぇる:しんぷはたまになんか、さくががちがうかんじになりますねえ

わんすたいん:さて、ねこちぇるくん。こうして実際に殺人鬼が外に出てしまっている訳だが……もうもはや、取材を続ける意味もないのではないかね？

ねこちぇる:どうしてー？

わんすたいん:誰がその記事を読むのだね？

ねこちぇる:うーん、よまない？

わんすたいん:ああ、見てみたまえ。誰もがこの終末時計の深夜を憂いている。あと数日もし無いうちにこの世界は冷え切り、我々生き物は生きながらえる事のできない世界となるだろう。

ねこちぇる:うーん、いきながらえなかったら、しんぶんよまない？

わんすたいん:ああ、きっとね。君も、愛する者の元に戻るべきではないかね？

ねこちぇる:あいするもの？

わんすたいん:そう、私は恐らく何度でも繰り返しこの人生を歩む事になる。だが、君は違うだろう、リッジ……いや、ねこちぇる。

ねこちぇる:あいすならちょこみんとがすきです！

わんすたいん:きいてなかったねー、いまけっこう、だいじなこといおうとしてたけど、きいてなかったねー

ねこちぇる:さーてぃーわんの、ちょこみんとに、らぶぽーしょんのっけると、しあわせです！

わんすたいん:しあわせそうだねー、すんごくにこにこだねー

ねこちぇる:よまれないと、しんぶんって、いみないですか？

わんすたいん:あ、もどってきたね、おかえり

ねこちぇる:だれかにとどかないと、ことばって、いみがないですか？

わんすたいん:すこし、ふかいこといいはじめたね

ねこちぇる:だれかにつたわらなくても、ぼくは、しんぶんきしゃだから、やっぱりしんぶんをかきたいなあ

わんすたいん:ねこちぇる……

ねこちぇる:きおくにのこらなくても、ねこちぇるがいきてて、なにかをのこしたいって、おもったことをのこすのが、なーんか、いいきがする

わんすたいん:せかいがおわっても、それでも、のこすの？

ねこちぇる:うん、だって、せかいがおわるとか、おわらないとか、かんけいないでしょお？

わんすたいん:……どうしてだい？リッジエル

ねこちぇる:そこに愛があったかどうかなんて、誰にもきっとわからないからですよ、神父。

わんすたいん:……君は、何周目なんだい、リッジエル。

ねこちぇる:わかりません、僕にも。でもなんとなく、思うんです、神父。みんなきっと、そんなものなんだって。

ねこちぇる:何回繰り返しても、何回死んでも、いつ世界が終わっても、やっぱり愛は目に見えない。

ねこちぇる:あなたがしようとした事も、多分、誰にもわからないんです、神父。

わんすたいん:……それでも、書くというのだね、リッジエル。

ねこちぇる:やだな、しんぷ、ぼくは、ねこちぇるですよ

わんすたいん:そうだった！そうだった！きみはねこの、ねこちぇるだった！

ねこちぇる:わからなくても、あいは、そこにあるし

ねこちぇる:たとえおわってしまっても、ねこちぇるたちは、そこにいたんだよね

わんすたいん:そうかもね、ねこちぇる

ねこちぇる:だからぼくは、しんぶんを、かきますよー、しんぷー

わんすたいん:なんだか、うれしいなーとってもうれしいなー

ねこちぇる:さーてぃーわんの、おいしいふれーばーのくみあわせをかきます！

わんすたいん:わたしのことじゃ、ないのかな？

ねこちぇる:ちょこみんとと、らぶぽーしょんもいいけど

ねこちぇる:ろっきーろーどと、なっつとぅーゆーも、すてがたい！

わんすたいん:わたしのことじゃなくていいのかな？ねえ？

ねこちぇる:しんぷのすきなあいすも、かいてあげますねえ！

わんすたいん:ほんとお！？

ねこちぇる:だつごくしてみて、どーですか、しんぷ

わんすたいん:なんもかわらなーい、あんがい、なかもそとも、かわらないかも

ねこちぇる:でも、もう、あじつけのりさんまいのへやにいなくても、いいんですよ、しんぷ

わんすたいん:きゅうくつであることが、じしんのきゅうさいに、なることも、あるんだよ、ねこちぇる

ねこちぇる:しんぷはおもったより、わかいんですねえ

わんすたいん:そのきゅうさいじゃないよ、ねんれいじゃない

ねこちぇる:きゅうさいで、さんじゅーはちにんもころしたとか、すごすぎますね！？しんぷう！？

わんすたいん:ああ、なんかおしい！！ちがうな、ちょっと、ちがうなあ！！！

ねこちぇる:きゅうさいってすごいなあ

わんすたいん:おしいんだよなあ、ぶんみゃくは、あってるんだけど、なんかいみが、ちがうんだよなあ

ねこちぇる:またあそぼうね！しんぷ！