カケヨルメソッド【1】声劇シナリオを書く前に ④プロッターとパンツァーの適正ジャンルとは?
【1】声劇シナリオを書く前に
④プロッターとパンツァーの適正ジャンルとは?
◆① 適正ジャンルとは「才能」ではなく「疲れにくさ」である
まず最初に、ひとつだけ定義をひっくり返しておこう。
適正ジャンルとは、
「上手く書けるジャンル」ではない。
「書いたあとに、あまり消耗しないジャンル」のことだ。
多くの人が「このジャンルは自分に向いていない」と感じるとき、
それは才能がないからではない。
・書き始めるまでが異常に重い
・途中で何度も詰まる
・書き終わったあと、どっと疲れる
・なぜか自己嫌悪だけが残る
こういった消耗が激しいジャンルを、無理に選んでいるだけのことがほとんどだ。
(まあでも、時には無理して進みたくなる時もある)
(その時っていうのが、痛みを伴う創作の瞬間で、実はそれこそが創作の神髄でもある。)
(多くの表現者と創作者がある意味創作マゾヒスティックを持っているのだ。)
声劇シナリオは、量を書くことでしか上手くならない。
これh絶対である。確実に、絶対で、他に方法がない上達方法である。
とにかく量を書くこと。そして、なにより「物語をはじめて」「必ず終わらせる」ということ。
これを繰り返す事でしか、声劇シナリオを書くという上手さはあがらない。
経験値が入らないのだ。
だからこそ、「疲れにくさ」は技術よりも先に来る。
書けるかどうかより、
書き続けられるかどうか。
それが、適正ジャンルという考え方だ。
◆② プロッター/パンツァー別「消耗しにくいジャンル傾向」
前回の章で説明した通り、シナリオライターには大きく分けて
・プロッター(構造先行型)
・パンツァー(感情先行型)
という癖がある。
ここでは「向いている/向いていない」ではなく、
「比較的、楽に書きやすい傾向」として見てほしい。
▼プロッター寄りの人が消耗しにくいジャンル
・ミステリー
・コメディ
・群像劇
・長編・シリーズもの
・ルールが明確な世界観(SF・設計型ファンタジー)
これらのジャンルは、
構造
伏線
配置
緩急
因果関係
といった「考えること」そのものが作品の骨格になる。
プロッターにとっては、物語を設計する行為自体がエネルギー源だ。
逆に言えば、感情だけを追いかける展開が続くと、
「どこに向かっているのかわからない」状態になり、消耗しやすい。
▼パンツァー寄りの人が消耗しにくいジャンル
・ヒューマンドラマ
・恋愛
・サスペンス
・詩的作品(朗読台本、朗読詩など)
・一幕で完結するワンシーンシナリオ
・シチュエーションボイス
これらのジャンルは、
人の感情
心の揺れ
関係性の変化
今この瞬間の空気
が何よりも重要になる。
パンツァーは、
「感情を書くこと」そのものがエネルギーになる。
だからこそ、声劇という媒体はパンツァー適性が高い。
声は嘘をつけない。感情の即時性が、そのまま作品の強度になるからだ。
ここ、すごく重要である。テストがあるなら確実に出る。テスト無いけど。
ここで、声劇に限定した相性を整理してみよう。
※これは「才能の有無」ではない。
※初心者が消耗しやすいかどうかの話である。
特に声劇でミステリーをやろうとすると、パンツァーはかなりの確率で迷子になる。
逆に、プロッターが短編エモ声劇を量産しようとすると、毎回「設計しすぎて」筆が止まりがちになる。
前述したが、それでも我々には書かねばならぬときがある。
そういうときは、諦めて、その書き出す痛みと悩みと共に前に進むしか無い。
その痛みや悩みこそが、後々の経験値になる瞬間がある。
ただ、今ここであなたは「それぞれに適正ジャンル」があることに気づくことができた。
ということは、簡単な話である。
筆がとまるなら、パンツァーはプロッターに、プロッターはパンツァーになってみるという手法をとることができる。
「書けない夜」の大敵は、「どうすればいいかわからなくなること」だ。
今書けていない状況が、何故、書けない状況なのか。
なぜ、今自分は苦しいのか。
それがわからなくなる状況を人は「スランプ」と呼ぶ。
迷った時、道筋は多いほうがいい。選択肢は多ければ多いほどいい。
声劇において「もう戻れない」と言うことは絶対に存在しない。
何度でもやり直せて、何度でもまた分岐点に立つことができる。
◆④ よくある「書けない夜」の正体
この「書けない夜」の正体は、「才能の顧客」では無い。断じて違う。
言い切ってしまってもいい、才能の問題ではない。
「分岐点」や「選択」にミスがあるだけなんだから。殆どの場合が。
→ パンツァー気質で、構造ジャンルを選んでいないか?
書き始める前に疲れている
→ プロッター気質で、短編感情特化をやっていないか?
感情が嘘っぽくなる
→ 次の展開のために、感情を用意していないか?
多くの場合、「書けない夜」は才能の問題ではなく、選択のミスだ。
自分の癖に合わないジャンルを選び続けると、書くたびに自信を削っていく。
それは、あまりにももったいない。
ただ、今ここであなたは「それぞれに適正ジャンル」があることに気づくことができた。
ということは、簡単な話である。
筆がとまるなら、パンツァーはプロッターに、プロッターはパンツァーになってみるという手法をとることができる。
「書けない夜」の大敵は、「どうすればいいかわからなくなること」だ。
今書けていない状況が、何故、書けない状況なのか。
なぜ、今自分は苦しいのか。
それがわからなくなる状況を人は「スランプ」と呼ぶ。
なので、これが答えなのである。
間違えたのはあなたの才能ではない、文才ではない、語彙力や知識は少し関係あるかも知れない。
でも、ほとんどはただただ、選択を間違えているだけだ。
選択を間違えているということは、始め方や考え方、進め方が違っているということなのだ。
だから、
筆がとまるなら、パンツァーはプロッターに、プロッターはパンツァーになってみるという手法をとることができる。
どちらが優れているのではない、それは武器であり癖であるだけなのだ。
動かなくなった筆を折るのではなく、持ち替えてみる必要がある。
持ち替えるのが難しければ、「もしこれが違う武器であったなら」を前提にし
眺めてみるだけでもいい。
そこからアイデアが膨らむ可能性がある、そこからキャラクターが動く可能性がある。
プロッターであることと、パンツァーであることは「人生」ではない。
持ち替える事ができる武器であり、自身がシナリオを書く時にヒントになり得るかも知れない
鏡の奥のもうひとつの可能性なのである。
◆⑤ 結論:今の適正ジャンルは「今」決めればいい
最後に、結論を言おう。
今のあなたの適正ジャンルとは、
・一番、楽に書ける
・一番、回数を書ける
・一番、自分を嫌いにならない
そのジャンルだ。
一生それである必要はない。
成長すれば、癖も武器も変わる。
プロッターでも、パンツァーでもいい。
混合型なら、なおさらいい。
大切なのは、
自分の書き方を理解したうえで、戦場を選ぶこと。
それだけで、「書けない夜」は確実に減っていく。
そして、書き始められる物語が格段に増えていく。
これは、これから書き始めるあなたにも、書けなくなってしまった夜を迎えたライターのあなたにも通じる「最大の武器の使い方」なのである。
◆次回 「声劇シナリオを書くための予備知識」
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