朗読詩「まがつ」
cover harikoinu
thanks every day.
おれを殺すことなんてかんたんだ
ああもう、いいのだおれは
そのまま泥となつてしまいたい
すべておれなのだ、元凶はすべて
汚れつちまえばよいのだ
なんだそもそもキレエでもなかつたか
じつとみたてのひらの
しわがすこし増えていて
ああ、なんだ、そうかそうかと
人間じみた
なんてことのない
毎日のことを思い出しては
そのまま泥となつて
何も無い青空のしたで
遠い空の彼方をおもつては
ぐしやぐしやとよく、育つ
憧れのくずと、愛のぬけがらを
傍らに置いては
人間の形をした
ふりをつづけるのだ
ああ、なんてばかな
なんて疎かな
なんてわからずやの
いかれぽんちなことか
何もかもを何かのせいにしては
そうして呼吸を忘れて
ひとちくしように成り下がる
なんだかんだと吐き倒し
生きるか死ぬかで
語り始める大馬鹿者よ
何かを産むことも
何かを消すことも
何かを殺すことも
できやしねえ
そんなひとちくしように
いかれぽんちも甚だしい
おれを殺すことなんてかんたんだ
ああもう、いいのだおれは
そのまま泥となつてしまいたい
すべておれなのだ、元凶はすべて
汚れつちまえばよいのだ
なんだそもそもキレエでもなかつたか
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