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臍帯とカフェイン

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アザラシと戦うんだ。(0:0:6)

◆配役 


●あざらし頭領:性別不問 以下本編内表記「頭領」

 →主役の一人


●ひとのこ:性別不問   以下本編内表記「ひと」

 →主役の一人


●あざらしA:性別不問  以下本編内表記「A」


●あざらしB:性別不問  以下本編内表記「B」


●あざらしC:性別不問  以下本編内表記「C」


 →オウオウ要員の為3人以上居ても構いませんし、一人が兼役でも構いません。


●運営スタッフ:性別不問。




このシナリオは便宜上「6名性別不問台本」としていますが、

自由に人数変更をして構いません。オウッ。


ひと:会場の皆さんに一つお願いがございます。

ひと:この物語は、人とあざらしの戦いの物語です。

ひと:これよりあざらし達が「オウッオウッ」と鳴き声をあげる場面がございます。

ひと:ぜひ、その際は皆様も「オウッオウッ」と鳴いていただき

ひと:この会場を「あざらしの群れ」として完成できるようご協力宜しくお願い致します。

ひと:コメント欄、リスナーの皆様のコメントにて力一杯の「オウッオウッ」を期待しています。

ひと:それでは、宜しくお願い致します。



頭領:オウッ!オウッ!オウッ!!!


A:オウッ!オウッオウッ!

B:オウッ!オウオウッ!

C:オウッ!!オウオウオウッ!!


頭領:静粛に!!!!静粛に!!!!



頭領:日本海あざらし連合関東支部諸君!

頭領:今日はよく集まってくれた!

頭領:我々あざらしは、これまでに人間達と醜い争いを繰り返してきた。

頭領:時には、枕を涙で濡らした事もあっただろう。

頭領:悔しさのあまり、イワシが喉を通らない事もあっただろう!!

頭領:しかし!!!今日この日をもって!!

頭領:我々あざらしは人間達に、いや、人間どもに宣戦布告をする!!!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


頭領:この日のために我々は最終兵器を用意した!!!

頭領:そう、人の言葉も、あざらしの言葉もわかる、架け橋となる存在……

頭領:人の子だ!!!


ひと:人の子です。


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


頭領:我々あざらしがこれまで人にいいように使われてきたのは

頭領:我々の言葉が彼らに届かなかったからだ!

頭領:漫画のキャラクターとして愛玩とされ

頭領:あげく川に迷い込めば住民票まで渡される!!!

頭領:我々は海の猛者!!ハンターである!!!

頭領:この日本海のイワシもイカも、我々のものだ!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


頭領:静粛に!!!静粛に!!!

頭領:あの嵐の日、難破船に取り残されたこの人の子を見つけた時から

頭領:我々のこの計画は始まった!

頭領:人の言葉と、あざらしの言葉を理解するこの子を使い!

頭領:我々の力を!恐怖を!人間どもに理解させる!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


頭領:人の子よ。

頭領:これまでの生活、苦しい事もあっただろう。

頭領:我々の言葉を理解する、並大抵の事ではなかったはずだ。

頭領:大義であった!


ひと:ありがとうございます、頭領。


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


頭領:この十数年、私はお前を本当の息子/娘として育ててきた。

頭領:お前は立派な人の子であり、あざらしの子だ。

頭領:お前がいなければこの戦いははじまりすらしなかったのだ。


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


ひと:拾っていただいた恩、そしてこんにちまで育てていただいた恩、必ずお返し致します。


頭領:うむ。立派になったな。

頭領:今、関東支部のあざらしがすべて集まっているここで!

頭領:私は宣言する!私の息子/娘であるこの人の子を……日本海あざらし連合関東支部

頭領:次期頭領とすることを!!!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


ひと:ありがとうございます!!!


頭領:この戦いが終わり次第、戴冠式だ!

頭領:あざらし諸君!出陣じゃ!!!!!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)


ひと:待ってください!


頭領:どうした、次期頭領!!!


ひと:オットセイですよね(大声で)



(しばし間を置いて)



頭領:……え?


A:え?オットセイ?


B:え?なに?


C:え?


頭領:いまなんて言った?


ひと:「オウッ」「オウッ」って鳴くの、オットセイですよね


頭領:え?


A:え?そうなの?


B:え、オットセイってなに


C:あざらしじゃないの?


ひと:皆さん、ものすごく意気揚々と「オウッオウッ」って言ってるから黙ってたんですけど

ひと:あざらしじゃないですよね、オウッオウッは。


頭領:え、ちがうの?


A:いやちょっとわかんないです。


B:でも私生まれた時からオウッオウッて鳴いてましたよ


C:え、私も私も


頭領:え、じゃあなに?あざらしじゃないの?我々


ひと:違いますね


頭領:いや恥ずかし。

頭領:え、めっちゃ恥ずかし。

頭領:え、オットセイ?


頭領(観客の一人を指さす。配信であればコメント欄の一人を名指しする。)


頭領:え、あなた知ってました?

頭領:オットセイって。え、知ってました?


頭領:え、どうしよ、ずっとあざらしだと思ってた。


A:いやでも!それは人の子一人の意見じゃないですかぁ


B:そうですよ、人の子が間違ってるかも知れないじゃないですか


C:ちょっと多数決取りましょうよ、我々は間違いなくあざらしだって思う人挙手して



頭領、A、B、手を挙げる
観客も手を挙げているようであればCはチェックする
配信の場合はコメント欄の数も数える



C:ほら、●名あざらしって思ってますから、間違いなくあざらしですよ我々は。


ひと:あの、すいません、スタッフさん。


運営スタッフ:あ、はい、なんでしょうか。


ひと:ちょっと調べてもらって良いですか?

ひと:「あざらし 鳴き声」って。


運営スタッフ:あ、はい、少々お待ちを。

運営スタッフ:えーっと………


ひと:なんて書いてあります?あざらしの鳴き声


運営スタッフ:「グーッ」「グーッ」……っていう鳴き声みたいですね。



(しばしの間)



ひと:ほらね。


頭領:……じゃあ、我々は、オットセイなのか。


A:かわいいからという理由で、愛玩にされていた仲間も


B:川に迷い込んで住民票をもらってた仲間も


C:我々には居なかったということ……?


頭領:なんて事だ……。


ひと:……このように、我々にはまだまだ知らない事が多くあります。

ひと:勘違いによって敵対してしまうという心や

ひと:あざらしの鳴き声が思っていたものと違うってこと

ひと:今、あなたの隣にいる人間だって、実は思っていた事と違うかもしれない。

ひと:それでも私たちは、見えない何かと戦い続ける。

ひと:そう、そこに居ようが居まいが関係なく、我々は戦い続けるしか、進み続けるしかないんだ。

ひと:あざらしと戦うんだ、これからも、それだけは変わらない。



頭領:オウッ!!オウオウッ!!!


ひと:オウッ!!オウオウッ!!!


A:オウッ!オウッ!

B:オウオウ!

C:オウッ!!オウオウッ!!!

(順番にでなく、おのおの自由に歓喜のオウオウ)



おわり

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