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ミッドナイト・ウィスパー(0:0:1)

【配役】

このシナリオは、眠れない人のもとにだけ聞こえてくる架空の深夜ラジオ
「ミッドナイト・ウィスパー」のパーソナリティをあなたに行って頂く台本です。
その為、配役はあなた自身となります。




…テステス、マイクテス。ツェー、ハー、ハー。

聞こえる?聞こえてるね。


時刻は〇時〇分、夜も更けてきました。

真空放送局、銀河ラジオ「ミッドナイト・ウィスパー」

お相手はわたくし、〇〇でお送り致します。


静かな夜に、このラジオを見つけてくれてありがとう。

この放送は、そうだなぁ、見上げた星空のどこかひとつの星から

ゆっくりあなたの耳元に降り注いでる「眠れぬ夜のほんの少しのおとも」のようなもので。

眠れないあなたと、眠れないわたしをつなぐ、ちょっとした架け橋のようなもので。


眠れない?焦るよね、ほんの少し。

私もそう。ちょっとだけ焦っちゃう。

なんだかこの広い宇宙の隅っこで、なんだか一人でいるような気分で。

どうしようもない不安とか、なんだか許せない思い出のひとつとかを

どうしても思い出したりしちゃってさ。

ぐるぐるぐるぐる、考えすぎちゃうくらい、考えちゃうよね。

わかるよ、私もいっしょ。仲間だね。

眠れなくて、寝なきゃって思う気持ちが余計にさ。

この夜を、ひとりぼっちの夜にしていっちゃうんだ。


どうしてあんな事言っちゃったんだろうとか、

どうしてあんな事しちゃったんだろうとか、

大切にできたこと、

大切にできなかったこと、

大切にしたかったことが、

胸の奥のほうで何度も鳴り続けてさ。


どきどき、してきちゃうよね。


自分が悪かったのかな、とか

きっと、傷つけてしまったのかな、とか

おなじだけ自分も傷ついたのにな、とか

溢れる泉みたいに沸いてきてさ。


どきどき、してきちゃうんだよね。


そういう時の夜がさ、やさしいものであったらいいのに。

とてもおだやかで、とても静かで、何にも邪魔されない、

ゆるやかな時間の流れる、コーヒーをこぼしたみたいな夜だったらよかったのに

どうしても、暗くて、寒くて、明日のことや

いつかの立ち直らなきゃいけない日のこと、

勇気を出さなければいけない日のことを考えて、

それをさ、考えると、どうしても、

苦しくなっちゃうよね。


彗星のしっぽを掴むように、楽しかったことや

嬉しかったできごとの後を追って

掴み切れなくて余計に苦しくなる。

そりゃぁそうだよね、だって、しっぽでしかないんだから。

光の線が後を引いて、ぼうっと光りながら弧を描いているだけ。

虹のはじまりや終わりとおなじ。

その楽しかった事も、うれしかったことも、すべては

私や、君の頭の中にしかないんだから。


そんな日々、そんな日々が私たちには続いていて

君も、私も、夜空の向こうに行けずに、なんだか落ち込んでいる。


そんな日に聞きたい歌なんてなくて、

そんな日にお便りなんて出したくなくて、

だから、このラジオはほかでもないあなただけ。

そう、君、君や、あなただけに語り掛けている。


大丈夫だよ、なんて簡単には言えないのもよくわかっていて。

頑張ろうよなんて、気楽に言う事もできなくて。

でも、それでも、このラジオで私が君に、あなたに、君たちに伝えたいことは


きっと、大丈夫ってこと。


きっと、君も、私も、あなたも、私たちも、君たちも

みんなみんな、大丈夫ってこと。


大丈夫って言葉を信じたいってところ、かな。


この夜を超えれば、目が痛くなるような朝日が顔を出す。

それは、この悲しさや寂しさをもっと痛々しいものにしてしまうかもしれない。


明るいからって、心が晴れるとも限らない。

町ゆく人々の朝の影を見る事で、私は何をしてるんだろうって

見比べて、見劣りして、なんだか頑張れてないのかなって

思ってしまう事もあるかもしれない。


でも、大丈夫だよって言葉を、私は信じたい。


私から、君へ、あなたへ、伝える「大丈夫」って言葉を、信じたい。


だって、私たちはこの夜を知っているから。

悲しくて、辛くて、どうしようもなく焦ってしまって

誰に頼る事もできなくて、でも、誰かに助けてほしくて

孤独で、孤独で、ひたすらに孤独で。

終わりにしたほうが楽なんじゃないかなって思ってしまう

この暗い暗い夜を、私たちは知っているから。


そして、その夜の中に、私や、君が居る事を知っているから。


暗くならないと見えない、1等星から6等星の

星屑のうちの一人が、私たちだって、

私も、君も、あなたも、知ることができたから。


私たちは、孤独かもしれない。

ひとりぼっちかもしれない。

誰もまわりにいなくて

誰にも頼れなくて

孤独かもしれない。


でも、この夜を私たちは知っている。


同じ夜を、私たちは知っている。


だから、だから


「大丈夫」という言葉を、私は信じたい。


さみしくて、眠れなくて、焦ってしまうあなたへ。


さみしくて、眠れなくて、焦っていたわたしから。


「大丈夫」だよ、ってあなたに伝えたい。


最後まで聞いてくれてありがとう。

この夜を、あなたと一緒に過ごせたこと、うれしく思います。


真空放送局、銀河ラジオ「ミッドナイト・ウィスパー」

お相手はわたくし、〇〇でお送りしました。


≪エンディング≫


このシナリオは、時々内容の更新があったり追加があったり
する場合があります。



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