ハウツーホラーハウス(0:1:5)
【配役】
◆クロード:
元・若き天才俳優。国立劇団の専属脚本家となったばかり。クロード・クリスウェル。 作中女性だが、性別は不問とする。お化け屋敷が怖いわけないじゃないですか、と言ってました。
◆パティオ:
夢をあゆみ始めた脚本家。パティオ・アンダーソン。劇中の性別は女性ですが性別不問とする。お化け屋敷では普通に怖がるタイプですが、それどころじゃなくなりました。
◆エコー:
国立劇団唯一のクラッシャー。天才ピアニスト。元幽霊?エコー・フォン・ベスティアンブラーヴェン。 作中女性だが、性別は不問とする。お化け屋敷では爆笑するタイプです。
◆メイヴ:
元・天才役者。国立劇団座長。メイヴ・ハーティ。 作中男性だが、性別は不問とする。お化け屋敷には二度と行きたくありませんでした。
◆ウィンストン:
元・売れない画家。まだ、レストランの給仕。ウィンストン・パノマール。 作中男性だが、性別は不問とする。お化け屋敷は大好きすぎてお化け役に嫌われるタイプです。
◆リリアーナ:
不思議な雰囲気のあるパズフ美術館の学芸員。リリアーナ・パノマール。 女性。お化け屋敷で泣いたことがありません。
【詳細】
ジャンル:ヒューマンドラマ・コメディ
配役:性別不問4名 女性1名
時間:約25分
すべての創作者と、すべての表現者へ
【本編】
メイヴ:押すな、押すなって!誰だよ、押してるの!
エコー:にゃはは。早く行くのだ、座長殿!
ウィンストン:そうだそうだ、メイヴ、後ろがつかえてるよ!
クロード:や、やめなさいって、ちょっと、押すのは危ないでしょうよ!ゆっくりでいいですよ!
リリアーナ:わー、みてみてー、結構暗い~!
パティオ:皆さん、他のお客さんもいるから静かに歩いてくださいよ!?
メイヴ:やめよう、もう戻ろう、絶対嫌な予感しかしない、出るもん、絶対本物出る。
ウィンストン:まだ入り口だよメイヴ!こんな所で戻れないでしょ!
エコー:そうだぞ、座長殿。これでは全くお化けの克服になっていないではないか。
メイヴ:俺は!もう!克服しなくてもいいって!言っただろ!
パティオ:座長さん、声がでかいです!腹式呼吸できすぎててやばいです!
クロード:あれ、なんか今あそこ、動かなかった?
リリアーナ:わー、車椅子が動いたねー!すごい、どうやって動かしてるんだろ?
クロード:え、あ、やっぱり、動いた?今、え、いやいやいや、動いてないって
ウィンストン:すごい、やっぱり実在した廃病院をそのままお化け屋敷にしたってだけあるね
パティオ:雰囲気ありすぎて、ちょっと私も足すくんでます
エコー:にゃはは。やはりリアルに勝るものはないな!没入感がすごい!
クロード:没入感とか、言ってる場合か?
リリアーナ:わくわくしてきちゃったね~
ウィンストン:どきどきだね~
メイヴ:なんでパノマール夫妻はずっとニコニコしてる……?
リリアーナ:楽しいもんね~
ウィンストン:モンスターのディティールの品評会したいね、リリー
リリアーナ:わ、それ面白そう~!
クロード:面白そうとか、言ってる場合か?
パティオ:入場料、普通のお化け屋敷の倍くらいしますからね、それだけクオリティは高そうですよ
エコー:演技という観点において、学ぶべき部分もたくさんあるだろうな!
パティオ:本音は?
エコー:国立劇団の経費で、タダでお化け屋敷入れるなんて最高だろう!
パティオ:あけすけだなー
クロード:け、経費でこんな、ざ、座長をいじめるようなことするなよ!
メイヴ:俺の味方ってクロードだけな気がしてるよ。
クロード:と、当然ですよそんなの!
ウィンストン:クロード少し顔色悪いけど大丈夫?
クロード:大丈夫です何も問題ありません早く進もう
エコー:おや、あそこに包帯ぐるぐる巻きの奴がいるな
メイヴ:やめよう絶対動くもんアイツ、絶対動く
リリアーナ:すごーい!包帯の雰囲気がちゃんと古い感じになってる、見てみてウィンストン、すごいよほら!
クロード:リリアーナそうやってすぐ近寄っていくの僕はとてもとても宜しくないと思うんだよなあ!!!
ウィンストン:わ、ホントだ、すごいねこれ、どうやって染色してるんだろ。
リリアーナ:なんでも、紅茶とかコーヒーとかを染み込ませるといいって聞くわ!
ウィンストン:なるほどね!?ステインの効果で古臭さを出すのかあ!
メイヴ:あいつら最強の夫婦なんじゃないか……
エコー:メイヴほら、腕落ちてた
メイヴ:んにゃひい!!!!
クロード:え、エコー!!!そうやって落ちてるものを拾うな!
パティオ:それは本当にそう
エコー:にゃはは。面白いなあ、座長殿ぉ~♪
メイヴ:勘弁してくれ、やだもう、帰りたい
パティオ:座長さんがこんな風になってるの初めて見た……
クロード:見るなパティオ、メイヴさんの名誉の為にも見るな
エコー:そうはいかんだろ!目に焼きつけるのだパティオ!座長殿とて、人間なのだということを~!
パティオ:ど、どうしよう、劇団生活一、迷ってる自分がいる……
メイヴ:ウィ、ウィンストンそんなドンドン進むな!
ウィンストン:早く進もうとか言ったり進むなとか言ったりどっちなのさぁ~
メイヴ:俺は進もうなんて言ってないぞ!
クロード:それ言ったの僕だ……
リリアーナ:あ、骸骨落ちてきた
メイヴ:(言葉にならない小さな悲鳴)
クロード:………………。
パティオ:……クロード?
クロード:(立ったまま失神している)
パティオ:エコー!クロードが立ったまま気を失ってる!
エコー:なんと、そうかもしれないとは思っていたがクロード・クリスウェルも怖がりであったか。
メイヴ:く、クロード起きろ!こんなとこで気を失ったらしぬぞ!呪われるぞ!
リリアーナ:クロードぉ、起きてえ
ウィンストン:口から泡吹いてるけど大丈夫かな……
クロード:……だはあ!?や、やばい、今、なんか、死んだおじいちゃんに帰れ帰れって言われる夢を見てたような……
パティオ:死にかけてるよそれ!
メイヴ:死にかけてたぞそれは!
エコー:にゃはは。クロード・クリスウェル、可愛いところも、あるのだな!
クロード:や、やめろやめろ!エコー!違う!こ、怖くなんかない!こんな子供だまし、怖いわけがあるか!
リリアーナ:あ、クロードその先にはジャックザリッパーが居たよ……って遅かったみたい。
パティオ:(クロードに近づき)……また失神してますね。
ウィンストン:廃病院にジャックザリッパーがいるっていうのはちょっと世界観的に認めらんないなあ
エコー:うむ、少し拍子抜けであるな、流石ウィンストン・パノマール
ウィンストン:怖ければいいやみたいなごちゃまぜは少しね!すこーし頂けないよね!
リリアーナ:うんうん、ホラーハウスこそ世界観をね、守ってもらわなくっちゃ
パティオ:おばけ屋敷の中でおばけ屋敷の批評する人初めて見ました、私
メイヴ:お前ら本当に楽しそうでいいな……
パティオ:皆話ちゃんと聞いて!クロード失神してますって!
クロード:ぶは!!!!してない!失神してないから!
パティオ:一体何が君をそこまで駆り立てるの……
エコー:うーむ。失神するほどとは。どうする?途中退場するか?クロード・クリスウェル
クロード:こういう時だけ優しいのずるいからやめろエコー。
エコー:私はいつだって優しいぞクロード・クリスウェル!何せ私は最強のご意見番であって君の敵ではない!さあ、途中退場口を探そうではないか!
クロード:や、やめろやめろ!その優しさ!なんか負けた気がする!
エコー:勝ち負けではないだろう!?なあ、パティオ!
パティオ:まあ、勝ち負けではないかもだけど
リリアーナ:ねえみてウィンストン、この壁紙、これってフェイクじゃなくて本当にボロボロになった壁使ってない?
ウィンストン:わ、本当だ!これもしかして貴重な壁なんじゃないの!?
リリアーナ:博物館に寄贈されててもおかしくない歴史的なものかも……すごーい!すごいね!
メイヴ:お前が羨ましいよ、ウィンストン
パティオ:こんなに凛々しい顔で青ざめてる座長さん見たの初めてです
クロード:この流れさっきもあったな……
エコー:ほらほら、座長殿もなんとなくこの騒がしい雰囲気に飲まれて普通にして居られてるな!
メイヴ:たし……かに……?
クロード:すごいですよメイヴさん……やっぱりあなたは……
パティオ:すごいのかな……?
クロード:すごいだろ!パティオ!
パティオ:す、すごいね……?
クロード:ふふん。
メイヴ:なんでお前が誇らしげなんだクロード
クロード:あ、いや、これは、えっと!?
エコー:さーて、目的は果たせたのであれば充分ここに来た意味はあったな!あんまり長居してもクロード・クリスウェルが可哀想というものだ!
クロード:べ、別に怖がってないから!
エコー:遠慮するな、クロード・クリスウェル!さあ、我々の輝かしき逃避行だ!
リリアーナ:あのねー、盛り上がってる所申し訳ないんだけど
ウィンストン:どうしたの?リリアーナ
リリアーナ:さっき注意書きに書いてあったんだけどね
ウィンストン:うん
リリアーナ:ここのおばけ屋敷、途中退場の出口なんてないみたいだよ?
クロード:絶句。
パティオ:絶句って自分の口で言う人はじめてみたかも。
エコー:にゃはは。では仕方ない、前に進むしかないな!
メイヴ:む、無理無理無理無理!なんで!?
メイヴ:なんでだ!?普通はあるだろ!?
ウィンストン:……メイヴ、諦めよ。
メイヴ:嫌だ。
ウィンストン:前にもこんな事、あったじゃない。
メイヴ:やめろ、回想の時間すら設けたくない。本当にやめるんだウィンストン。
ウィンストン:怒られたからやめるね。
リリアーナ:ふふ、これは進まないといけないんじゃない?
クロード:絶望的だ……。
リリアーナ:ふふ、ウィンストンみたいな事言ってる。
ウィンストン:口癖がうつっちゃったね、クロード。
クロード:最低だ。
ウィンストン:それはひどくない?
パティオ:なんかこの廊下の奥の蛍光灯カチカチしてません?
エコー:おお、まさしく恐ろしいな!これは!
メイヴ:ウィンストン頼む、ここ出たらポテチャールズ奢る
リリアーナ:ポテチャールズって何?
ウィンストン:最近僕たちがハマってるフライドポテトチップス!
メイヴ:この間出た『デビルズ・ハングリー・スウィートチリ』味いっぱい買う。めっちゃ買う。だから!!
ウィンストン:はいはい、いいよ、僕が先頭に行けばいいんだね?
リリアーナ:あっ!私も、一緒がいい!
ウィンストン:へへ、じゃあ先に歩こうか、リリアーナ
リリアーナ:いいわね!ジャポネーゼのホラー映画の世界を散歩みたいなかんじ!
パティオ:夫婦って似るって本当なんですね?
エコー:うむ。天才と天才の夫婦は見ていて飽きないな!
クロード:…………。
パティオ:あ。蛍光灯のチカチカでクロード失神してました。
エコー:さあ進むぞ皆の者!出口はこの先にしか無い!このエコー・フォン・ベスティアンブラーヴェンはすべての人間を照らす光である!
ウィンストン:だめだよエコー、おばけ屋敷で懐中電灯はマナー違反。
エコー:むむむ、そうか、それは知らなかった。すまん。
リリアーナ:謝れて偉いねえ、エコー。
エコー:褒められてる、か?
パティオ:褒められてるっぽいね。
エコー:えへへへへ……
メイヴ:どうだ!?出口かー!?
ウィンストン:全然まだ
メイヴ:く、くうっ、まだか
パティオ:座長さん目つぶってます?もしかして
メイヴ:そ、そんなことない
クロード:さ、流石メイヴさんだ!そうやって歩けばいいんだ!
パティオ:2人とも絶対転ぶからやめな。
メイヴ:わぶっ
パティオ:ほら。
クロード:あでっ
パティオ:言ったじゃん。
エコー:にゃはは。素晴らしいな、おばけ屋敷というのは。
メイヴ:どこがだエコー!!!
クロード:ふざけんなエコー!!!
エコー:にゃはは。『悲しい』という感情は割と簡単に再現できるだろう?パティオ
パティオ:え?おばけ屋敷の中で高説垂れようとしてる?
ウィンストン:あ、そういうの聞きたい聞きたい
リリアーナ:私も気になる!
パティオ:それどころじゃない人2人いますけど大丈夫そうです?
メイヴ:それどころじゃない!
クロード:それどころじゃないです!
エコー:『怖い』と『面白い』は人によって感じ方が千差万別だろう?
パティオ:あ、話すんだ。
ウィンストン:たしかに。なんちゃらフォビア、なんて言う恐怖症はめちゃくちゃな数あるもんね。
エコー:その通り!だから、定石が作りづらい。だが、おばけ屋敷には必ず恐怖の導線がある。
パティオ:でも、言われて見れば。緩急が必ずあるかも。
エコー:実は。コメディの緩急と、ホラーの緩急は似ているとまで言われているのだ。
リリアーナ:エコーはすごいね!なんでも知ってるんだ!
エコー:えへへ、知ってるんじゃなくて、いっぱい勉強したってだけ、えへへ。
クロード:お前リリアーナにだけなんか態度違うよね?
エコー:お前とはなんだ!我が名はエコー・フォン・ベスティアンブラーヴェン!
パティオ:今更思い出したけど私たちちょっとまた五月蝿すぎるかも。
メイヴ:ついたか!?出口!
ウィンストン:まだー
パティオ:まだ目つぶってたんですね、座長さん……
メイヴ:怖くないぞ、なあ?クロード
クロード:全然です。余裕です。怖いわけないです。
ウィンストン:はは、師弟そろって意固地なんだから。
パティオ:似てますよね?この二人
ウィンストン:似てるよね、わかる。
リリアーナ:似るのは夫婦だけじゃないよね、ウィンストン
ウィンストン:ふふ、そう思うよ
メイヴ:ついたか!?
ウィンストン:まーだだってば
エコー:にゃはは、クロード・クリスウェル
クロード:な、なんだよ、エコー
エコー:さっきそこに生首が落ちていた!
クロード:(言葉にならない)
パティオ:あっ、皆さん、またクロードが失神しました。
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