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朗読詩「深夜」

こんなド深夜に浮かぶ言葉が
エモさを帯びるわけないんだよ
俺はたださみしいだけなんだからさ
愛の話にすり替えて
ただ埋まらない明日や未来の不安を
誰かのせいにしつづけてる
その折り返し地点で
たまたまセックスや
誰かの笑顔が大切になっただけなんだから

谷川俊太郎の詩を読んだことある?
俺はさ
好きなんだよ
なんでもおまんこって詩がさ
どんな風に締めくくられると思う?
「死にてえのかな」って終わるんだぜ
笑っちゃうよな
そんなふうに
「死にてえのかな」俺も

愛してるって言葉にするたびに
なんとなく自分が削れていく気がするから
ケバブサンドを食べる時には
絶対に愛してるだなんて言ってやらない
上野駅アメ横の隣で泣いてたあの日の
俺の抜け殻は今もそこでケバブ食べてんのかな
笑っちゃうよな
そんなふうに
「死にてえのかな」俺も

本当に孤独だなって思うのは
周りに誰もいないときじゃ なくて
周りに誰かがいるのに
そこをどうやったって透明人間の末裔になって
仕舞うことだ
言葉もそこにはなくて
温かさも冷たさもない
何も無い何も無いところで
ただ浮かんでるだけを やり直されてる
それを孤独と呼ぶまでが
この夜の宿題ってことで
いいですかね

そんなふうに
「死にてえのかな」俺も

こんなド深夜に浮かぶ言葉が
エモさを帯びるわけないんだよ
俺はたださみしいだけなんだからさ
愛の話にすり替えて
ただ埋まらない明日や未来の不安を
誰かのせいにしつづけてる
その折り返し地点で
たまたまセックスや
誰かの笑顔が大切になっただけなんだから

そんなに大事なんかな
大事なんだろうな
愛はお金じゃ買えないって言うしな
でも不思議とセックスは値踏みされてく
こんな話ばっかしても 面白くも ないよな
面白くないのも たまにはいいか
だって、
きっとお金じゃ買えないことの
一つであることに間違いはないんだからさ

いつまでもうだうだと話してたいよな
誰かの笑顔で幸せになるみたいにさ
たまたまセックスじゃ
安心できなくなって
そういえば誰かと飯を食ったのって
いつだったっけって 思い出しては

笑っちゃうよな
そんなふうに
「死にてえのかな」俺も

そんなふうに。

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