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臍帯とカフェイン

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朗読詩「さよなら因数分解」

さよなら因数分解
波立つ日々は幸せの反比例だったのかも知れなくて
答案用紙がほんとうに正解だったかどうかも
今となっては不可解の連続だ
君のいた教室を
出席番号順になぞっては
放課後のこっくりさん
もう知らないよって
誰かが校庭で叫んでる

愛してるなんよく分からない感情で
青春の色塗りを諦めただけだ
青だけで塗りつぶして綺麗な空に
うつつを抜かしただけで
本当はもっと濁った空だったような
気がしないでもない
そんなつもりもない
分からないが加速して
さよなら因数分解、
もう今じゃわからないままだ

夕方を知らせるチャイムと同じだ
繰り返し名前を呼びながら
もう二度と同じ空は来なかった
あれもこれもそれもどれも
同じ形であったことなんてなかった
だから呼吸をする度に僕らは大人になった
繰り返し名前を呼びながら
呼吸をする度に大人になった

聞こえないふりがうまくなって
見えてないものが見えてきて
春の種類を覚えてきた
セックスの仕方だって上手くなったし
上手な割り切り方も
傷つかないで人を遠ざける方法だってわかってきた

じゃあだから、それがなんだって言うんだろう

それが大人になるってことなら
僕らは愛してるなんて理由で
嘘を重ねたりしなかった

それが大人になったってことなら
もうこの手は何かを掴んでいたはずだった

さよなら因数分解
波立つ日々は幸せの反比例だったのかも知れなくて
答案用紙がほんとうに正解だったかどうかも
今となっては不可解の連続だ
君のいた教室を
出席番号順になぞっては
防火扉に隠れて君のこと考えた
ことももう辞めていた

いやだな、これが
大人になるってことなんだ

さよなら因数分解
二度と同じ空は来なかった。

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