『遠くて近くて限りなく遠くて。』(0:1:3)
【配役】
◆エコー:
国立劇団唯一のクラッシャー。天才ピアニスト。元幽霊?エコー・フォン・ベスティアンブラーヴェン。 作中女性だが、性別は不問とする。
◆クロード:
元・若き天才俳優。国立劇団の専属脚本家となったばかり。クロード・クリスウェル。 作中女性だが、性別は不問とする。
◆パティオ:
夢をあゆみ始めた脚本家。パティオ・アンダーソン。劇中の性別は女性ですが性別不問とする。
◆リリアーナ:
不思議な雰囲気のあるパズフ美術館の学芸員。リリアーナ・パノマール。 女性。
【詳細】
ジャンル:ヒューマンドラマ
配役:性別不問3名 女性1名
時間:約20~30分
すべての創作者と、すべての表現者へ。
クロード:だから!お前のそういう物言いが鼻につくっていってるんだろ!
パティオ:ク、クロード落ち着いて、周りのお客さんに迷惑だから!
エコー:なーんとでも言うがいいさ、クロード・クリスウェル!
エコー:そうやって物言いに関して言及するあたり、中身はすべて図星ということであろう~?
クロード:なっ、お、お前なあ!
リリアーナ:元気いいね、二人とも
パティオ:そんな呑気なこと言ってる場合ですか!リリアーナさん!
エコー:やはり上級階級の姫君は余裕があるな、にゃはは。
リリアーナ:姫君じゃないけどねえ
パティオ:みんなお願いだから静かに話してぇ……
クロード:……食事が不味くなる。
エコー:なんだい?帰るのかい?クロード・クリスウェル
クロード:お前なんかと一緒に食事なんてできるか!
パティオ:クロード!声が大きいってば!
エコー:そうかいそうかい、では今日の意見交換はこのエコー・フォン・べスティアンブラーヴェンに軍配があがったということで宜しいな?
エコー:いやあ、良かった良かった!分かっていただけたようだ!
クロード:く……ぐぬ、くぅ……
リリアーナ:クロード、多分帰らないほうがいいと、私は思うかなぁ
クロード:わかってるよ……
パティオ:はあ、もう……
リリアーナ:ふふ、パティオ、乾杯する?
パティオ:今じゃないでしょ!?
リリアーナ:だって、2人は多分まだ飲まないだろうしー……
パティオ:……それもそうか、そうですね、リリアーナさん、乾杯しましょうか……
リリアーナ:じゃあ、乾杯っ。
パティオ:乾杯。
エコー:我も混ざろう、乾杯だ!
クロード:お前はまだ飲むな!
エコー:なーぜだ!クロード・クリスウェル!
クロード:まだ話が終わってないだろ!?
エコー:せっかくのタダ飯を目の前にお預けとは、貴様鬼か!?悪魔か!?
クロード:そのタダ飯は僕の財布から出てるんだからいいだろうが!
エコー:えっ、そうなの?
パティオ:……そうだよ?
リリアーナ:ふふ、ごちそうさま、クロード
エコー:それを早く言わないかまったくぅ
エコー:ささ、しっかり話をして美味い糧を得ようではないか友よ~
パティオ:現金なんだから……
エコー:資本主義社会の典型というだけだ!にゃはは。
リリアーナ:資本主義とシフォン主義って、なんか似てるかも。
クロード:リリアーナ、今そういう時間じゃない
リリアーナ:えへへへ、ごめんなさい
パティオ:しっちゃかめっちゃかだよ、しっちゃかめっちゃかだよー……
エコー:にゃははは!このまとまりが無いかんじ!正しく今の国立劇団を表しているようだ!
パティオ:店員さん睨んでるから!こっちめちゃくちゃ睨んでるから!
クロード:だからなあ!?まとまりが無いだの!クソミソ集団だの!お前はそんなことばっかり!!
エコー:クソミソ集団にクソミソ集団と言って何がわるいのだ~?
パティオ:絶対怒られる、あとで絶対怒られる
リリアーナ:パティオ、このアラカルトすっごく美味しいよ
パティオ:マイペースにも程があるよリリアーナさん!
リリアーナ:お腹すいちゃって
エコー:じゅるり……ねえー、クロードぉー、もう食べようよー、おなかすいたぁー
クロード:駄目だ。
エコー:どうして!
クロード:どこかの誰かさんのご高説がまだ終わってないからに決まってるだろう?天才ピアニスト
エコー:な、なんだよ、あんまりそうやって褒めるなよ照れるだろ
クロード:皮肉で言ってるんだよ
エコー:あ、なんだ褒めてないのか
パティオ:もういいから食事にしましょうよぉー……
リリアーナ:クロードは、どうしても今話したいの?
クロード:……この気持ちのまま、食事がしたくない。
リリアーナ:そういうことみたいだけど、エコーはどうなの?
エコー:私はタダ飯が食えるならなんだっていいぞ!リリアーナ嬢!
パティオ:あけすけすぎるよ、エコー……
エコー:何せ私は天才ピアニスト兼最強のご意見番、時代の麒麟児!エコー・フォン・ベスティアンブラーヴェンであるからして!
パティオ:だから声でかいってば!!!
パティオ:ああっ、もう、すいません、すいません、お騒がせしてすいません……ッ
リリアーナ:それなら、美味しい食事を美味しく食べるために、しっかり話したほうがいいんじゃない?って私なら思うかな
パティオ:……右におなじ、お腹すきましたけどね
パティオ:ちゃんと話したほうがいいとおもう
クロード:ごめん、二人とも
エコー:私には謝らないのかー?クロード・クリスウェル
クロード:……だぁからぁ……!
パティオ:はい、落ち着いて、一々ブチ切れてたら意味無いでしょ!
クロード:……フー……そうだな、ごめん、ありがとう、パティオ
パティオ:……まあ、言いたいことがあるのは、私も、わかるし。
エコー:なんだ?チンパンジーのバナナ置き場って言ったことをまだ根に持ってるのか?ん?存外こころが狭いのだなあ、にゃはは
クロード:いやそれは意味がわからない
パティオ:左に同じく……
リリアーナ:わあ、ウィンストンみたいっ
エコー:おっ、ウィンストンというのはあのウィンストン・パノマール?ガム絵画で大儲けしたと言う、あの?
リリアーナ:ふふ、私の旦那さん
エコー:ななな、なんとそれは!素晴らしい!エクセレントブラボーだなあ!
リリアーナ:えへへ、ありがと
クロード:……お前はなんで国立劇団に入ってきたんだよ?エコー
エコー:お金が無かったからだ!
パティオ:だからあけすけだってば!
エコー:なんだ?聞かれたことを答えただけだろう!?
パティオ:お金稼ぎの為とかそういうことが聞きたいわけじゃないんだってば、クロードは
エコー:なに、そうなのか?それならそうともっと率直に聞けば良いでは無いか。
リリアーナ:ふふふ、段階を踏んだのよね
クロード:なーんか調子狂うな……
エコー:違うだろう?クロード・クリスウェル
クロード:……なにがだよ
エコー:気に食わないのだろ?尊敬するメイヴ・ハーティに気に食わないことを言うこの大天才が。
クロード:……おまえさ。
エコー:ハッキリと言えばよいのだ、私が座長殿に「貴様は演技の天才ではない、演技馬鹿なだけだ!」と叱り飛ばし「国立劇団とは、馬鹿の集まりであるな!ひとつの事しか出来ない馬鹿どもだ!」と言ったのが気に食わなかった、と。
リリアーナ:そんなこと言ったの?
エコー:にゃはは。
パティオ:はあ……もう好きにしてくれ……
クロード:……そうだよ、それが気に食わない。
エコー:お、ようやく言えたな!素晴らしいぞクロード・クリスウェル!
クロード:なんなんだよお前は、いきなり出てきて
クロード:僕らのやり方すべてに口出ししてくる!
クロード:稽古の仕方、楽団の在り方、はたまた座長の動き方まで!
パティオ:だから声大っきいってぇ……
クロード:どうして国立劇団を壊そうとする!?
クロード:座長が、メイヴさんが作り上げてきたものを、なんで壊そうとするんだよ。
エコー:ふむ。
リリアーナ:どういう理由があるの?エコー
エコー:メイヴ・ハーティが作り上げたものというのは、なんなのだ?クロード・クリスウェル
クロード:……は?
エコー:なにを、作り上げたというのだ?
パティオ:エコー、ちょっと言葉気をつけたほうがいいとおもう
エコー:要らん、そんなもの。
パティオ:要らんって……
クロード:……意味が無いとでも言いたいのか?エコー。
エコー:まずは質問に答えて欲しいけどなー、クロード
クロード:……国立劇団そのものだろ。
エコー:はー!でた、国立劇団至上主義!
パティオ:エコー!
エコー:お前もお前だパティオ!とめるな!いちいち!
パティオ:な……
エコー:お前こそだ、お前こそなんだぞ!
パティオ:な、なにが
エコー:はー!まったく!話にならんなあ、これだからクソミソ集団だと言っている!
クロード:またそうやって……!
リリアーナ:エコー・フォン・ベスティアンブラーヴェンって、あの音楽一家のベスティアンブラーヴェン家のってことよね。
エコー:おお、いかにも!
リリアーナ:ふーん、ふふ、もしかしてベスティアンブラーヴェン家から追い出された子って、あなたなの?
エコー:その通りだ!リリアーナ嬢!さすがだ姫君!
エコー:情報通なのだなあ!
クロード:は?何?追い出された?
パティオ:どういう事?
リリアーナ:父から聞いた事あるの、ベスティアンブラーヴェン家で一番才能のある子が家を勘当されたって。
エコー:にゃはは。それわたし。
クロード:……名家なんだろ?その、ベスティアンブラーヴェン家ってのは。
エコー:そうさな!音楽家の三大Bと呼ばれる名家にも名前が並ぶと言われ、『4番目のB』とも言われた由緒正しきサラブレッドピアニスト一家だ!
パティオ:……なんで、勘当なんか
リリアーナ:ちょっと興味でてきた?二人とも
クロード:え……?
リリアーナ:『わからない』っていうのは、一番の壁だと思わない?パティオ。
パティオ:……
リリアーナ:私には、エコーはね、すごく頭が良すぎるように見えてるよ
エコー:むむ!もっと褒めてもいいのだぞ!!!
リリアーナ:ふふ、褒めてるわよ
エコー:……えっ
リリアーナ:たくさん褒めてるわ、エコー
エコー:え……あ……その……あら、えっと、え?褒め、てる?
リリアーナ:うん、褒めてる
エコー:あ、う、えっと、あり、がとう……
クロード:……なんだよお前、キャラが全然違うじゃないか
エコー:う、うるさいな、褒められるってあんまり無いから……
パティオ:…………なんで、国立劇団に入ったのに、国立劇団のこと悪く言うの?エコー
リリアーナ:ふふ、そうよね、パティオ
エコー:いま、なんと言った?パティオ
パティオ:え?だ、だから、国立劇団に入ったのに、なんで国立劇団の事を悪く言うの?って
エコー:エクセレント!ああ、エクセレント!ようやく、ようやくだ!!!
クロード:な、なにがだよ
エコー:いいぞパティオ!そのまま続けろ!いや、違うな、私が返すべきか!?ああ、素晴らしい、どうしよう!
パティオ:全然意味がわからないよ……
リリアーナ:……ふふ、クロードは?
クロード:なんの事なのか、全くもって……
リリアーナ:ううん、そうじゃないよ
クロード:え?
リリアーナ:今、なんて思ってるの?
クロード:え……
リリアーナ:なんで、エコーの事でイライラしちゃうの?
クロード:……だってそれは、こいつが
エコー:私が?
クロード:…………言わないとだめ?
リリアーナ:言ったほうがいいと、私は思うけどなあ
クロード:……むかついたから。
エコー:いいぞ、なにがだ?
クロード:メイヴさんの事、悪く言うのがむかついたからだよ!
エコー:にゃはは。
リリアーナ:エコー、満足?
エコー:大満足だ!一旦はな!
パティオ:なに、どういうこと?
エコー:これでいいのだ、うむ、これでな!
クロード:なにがだよ……
エコー:……なんで、悪く言われたらむかつくの?
クロード:……は?
エコー:好きだからでしょ。
クロード:は?な、は!?
エコー:「メイヴ・ハーティを、怒らせたくない」
パティオ:あ……。
リリアーナ:パティオ、しー。
エコー:おもってるでしょ、クロード・クリスウェル。
クロード:それは……。
エコー:おもってるでしょ。
クロード:う……ぐ……。
パティオ:クロード?
クロード:……思ってる、思ってるよ、これで満足か!?
クロード:くそ、なんか、くそ……むかつく!
クロード:やっぱお前むかつく!
クロード:ちくしょう、僕の何歩も先を行ってる感じがしてむかつく!
パティオ:クロード……。
クロード:……なんで、なんでメイヴさんはお前と毎日喧嘩するんだよ。本当は、僕が、僕がそれをしたいのに。
クロード:同じように、肩をならべて、馬鹿な事言って
クロード:それは違うって、お互いの腹のうちを、明かしたりしたいのに……っ
クロード:なんで、なんでポッと出てきたお前がそれを全部持っていっちゃうんだよ……!
エコー:天才だからな。
クロード:おっまえ……ほんといい性格してるよな!!!
エコー:もっと褒めてもいいぞ!
クロード:褒めてないってば!
エコー:あ、褒めてないのか……
リリアーナ:エコー。
エコー:なんだい、リリアーナ嬢。
リリアーナ:私の友達をこんな風に、こころを掻き乱したまま終わりにしないよね
エコー:え
リリアーナ:ちゃんと、最後まで話すわよね
エコー:ちょっと目が笑ってなくて怖いよ、お嬢
リリアーナ:ふふ
エコー:……もちろん、ご期待に答えようではないか。
リリアーナ:ありがと
エコー:……憧れているだろう?メイヴ・ハーティに。
クロード:……憧れないやつなんて、いる?
パティオ:……みんな、メイヴさんに憧れて、入ってきてるもんね、国立劇団に。
エコー:そうだろうな、そうだろうとも、だが。
パティオ:……だが?
エコー:「その憧れは、メイヴ・ハーティを殺すぞ」
リリアーナ:……エコーって、メイヴの事も、国立劇団の事も大好きなんだね。
クロード:……は?こいつが?
エコー:ふふん。愛おしくて堪らない!私は、メイヴ・ハーティの事も国立劇団のことも愛おしくて堪らないさ!
エコー:あの古臭いしきたりに囚われ続けていた国立の、そう!国が莫大な金をかけて守り続けた劇団を!
エコー:メイヴ・ハーティという俳優は、変えたのだ!
パティオ:あの、今更ではあるんだけどもう少し小声で話さない?
エコー:そんなこと言ってる場合かパティオ!
パティオ:はあ……まぁ、そうだよね……。
エコー:新しい事に挑戦する者が、魅力的じゃないわけがない!
エコー:愛おしい!私は、メイヴ・ハーティという役者が愛おしくて愛おしくて堪らない!
クロード:エコー……お前……
エコー:「だが、同じ輪の中にいるなら憧れてはいけない」
クロード:……くそ……。
パティオ:クロード……?
クロード:むかつく。すごく、すごくむかつくんだよお前。
エコー:そうか。
クロード:……なにがむかつくって、何がムカつくって!
クロード:「そんな事、僕はずっと分かってた」
クロード:憧れてるだけじゃだめなんだ、わかってたよ。
クロード:憧れてるだけじゃ、それは
クロード:「メイヴ・ハーティの演技を見に来てるファンと一緒」だ。
クロード:僕は、僕は彼に背中を押して貰えたのに
クロード:背中を押されたのに。
クロード:僕はいつまでたっても、隣に居ない……!
エコー:にゃはは。
パティオ:……そう、だよね。
パティオ:そっか、そうだよ。だって、私たち、同じ劇団の仲間なんだ。
パティオ:憧れて、崇めてたら、いけないんだ。
エコー:……エクセレントブラボーだよ、きみたち。
リリアーナ:伝わった?
エコー:ああ、思っていたより早く。
リリアーナ:良かったね、エコー
エコー:ありがとう、リリアーナ嬢。
リリアーナ:……国立劇団に入るために、勘当されたんでしょ。
エコー:にゃはは。その通り!そんな劇団に入る為にお前を育てた訳ではないと追い出されてしまった!
クロード:……国立劇団に、入るために、自分の将来を棒に振ったのか……?
エコー:その考えは間違っている、クロード・クリスウェル。
クロード:え?
エコー:「私は、どうしたいのか」
エコー:私が大事にしたのはそれだけだし、私が大事にすべきことはそれだけだ!おかげで一文無しで外に追いやられてしまったがなー!にゃはは。
パティオ:……うー。
リリアーナ:どうしたの?
パティオ:…………どうして、この劇団にはこういう天才とか、主役みたいな人ばかり集まるの。
エコー:いいな、パティオ・アンダーソン!何故そう思う!
パティオ:ずるいよ、そんな覚悟とか、そんな背景ばっかり。
パティオ:そんな、劇的なことばっかり!
パティオ:私だって、私だって国立劇団の一員なのになんだか脇役みたいじゃんか!
エコー:いいぞパティオ・アンダーソン!出てきている!きみが出てきているぞ!
クロード:…………エコー。
エコー:なんだ!クロード・クリスウェル!
クロード:……僕は君のこと、やっぱり好きになれない。
エコー:そうか!私は君のこと愛おしくて堪らないけどな!
クロード:く……そういう所もだ!
クロード:……でも、嫌いにもなれない。
リリアーナ:……ふふ、クロードが本音で話してるの見るの久しぶりな気がする。
クロード:……もっと、きちんと本音をぶつけてたら
クロード:僕は、もっとメイヴさんの隣に立ててたかな、今頃。
エコー:いいや!きっと無理であったろうな!
クロード:お前さぁ……
エコー:だが、それでいいのだ。
クロード:……なんで?
エコー:「この、悩んだこの瞬間こそが宝だから」だ。
クロード:……くそ、なんで説得力あるんだよ、エコー。
エコー:天才だからだ!私が!にゃはは。
エコー:……それに、私に嫉妬してるようだがね、クロード。
エコー:それは少し、ちがうとおもうなあ。
クロード:え?
パティオ:違う、ってなんで?
リリアーナ:ふふ。
エコー:あのメイヴ・ハーティが一番に頼るのは、キミだよ、クロード。
クロード:……そうかな。
エコー:そうだろう。いつもキミの前ではカッコイイ、そして頼れる座長で居たいとも思っているのだろうよ。
エコー:「かっこつけたい相手」というのも、悪くない!
クロード:……僕がしてきた事も、無駄じゃない?
エコー:当然だろう!私も天才だが、キミも天才だ!
クロード:……。
エコー:そしてパティオ・アンダーソン!
パティオ:え!?あ、はい!?
エコー:キミは全くもって天才では無い!
パティオ:ぐっさー。え、なんで、なんでこのタイミングでそういうこと言う?
エコー:だからこそいいのだ!
パティオ:……はい?
エコー:この場、国立劇団に一番必要なのは私やクロード・クリスウェルでは無い!キミであることは間違いないのだ!
リリアーナ:あっ、グループチャット来てる
クロード:リリィ、よくこのタイミングでグループチャット見れるね?
エコー:天才は天才のことしかわからん!私は天才すぎる天才であるが故、何もかもお見通しではあるが。
パティオ:なんかすごいこと言ってる。
エコー:「天才ではない」ことと「才能が無い」ことは同じではない。
パティオ:同じじゃ、ない……?
リリアーナ:「チンパンジーの路肩走行」!?
リリアーナ:はー!もう、可愛い、もうー、可愛いー!
クロード:リリィ……。
エコー:天才しか居ない劇団で、一体誰が共感しようか?
パティオ:……エコー待って、ちょっと涙出てきちゃう。
エコー:いいや、泣くべきだ、涙が出るのであらば!
エコー:このエコー・フォン・ベスティアンブラーヴェン!
エコー:貴族の名残で必ずハンカチは持参している!
パティオ:いらないよ!
エコー:なんだ、要らなかったか。
パティオ:少し誤解してたよ、エコー、あなたのこと。
エコー:そうか?
パティオ:……ありがとう、背中を押してくれて。
パティオ:大丈夫、才能が無いなんてもう思ってないよ。
パティオ:私は、ここで、誰にも負けない才能を手に入れて
パティオ:憧れの人の隣に立つって決めたんだから。
クロード:……パティオ
パティオ:あの時、宣戦布告したこと忘れないでよ、クロード。
パティオ:私、なにが何でもあなたに食らいつくから。
クロード:……うん。
エコー:……いいな、やはり、こういうのは。
リリアーナ:大分満足?
エコー:……へへ、うん。
リリアーナ:愛おしい?
エコー:当然。
リリアーナ:みんな同じだったね、見つめてるところは。
クロード:……だけど!僕は認めないからな!お前は言い方というものをだな!
や
エコー:言い方や物言いに固執するのはナンセンス極まりないぞ、クロード・クリスウェル!キミは演技の才能はあるが、いかんせん人とのコミュニケーションに難アリだ!
クロード:お前が言うな!
パティオ:ちょっと本当にそろそろ声抑えよ……やばいよ、絶対追い出されるって……
エコー:パティオ・アンダーソン!キミはもっと目立て!地味だ!
パティオ:な、なんだよさっきまでは褒めてくれてたじゃない!
エコー:才能と地味かどうかの話は別であるからな!
リリアーナ:ふふ、あ、ねえ、クロード、グループチャット返信しないの?
クロード:ああもう、それどころじゃないよもう!このノンデリ野郎に礼儀ってもんを教えなきゃ!
リリアーナ:ふふ、でもメイヴが待ってるよ、ほらほら
クロード:く、く……くうーーー!もう!
クロード:リリアーナ代わりに送っといて!!
リリアーナ:ふふ、はいはい、なんてリアクション送る?
クロード:「怪訝そうな顔のマーク」!!!
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