green bootsシチュエーション【ウィンストン・パノマールと教室で】
【説明】
当シチュエーションボイス用シナリオは、拙作「green boots」シリーズの
キャラクター達の日常生活を描写したものです。
キャラクターに成りきって、1人演技を行う目的で作成されたものになります。
【配役】
◆ウィンストン・パノマール:
あなたが演じる絵描きです。
劇中男性ですが、性別不問としています。
こんにちはー………っと。
あ、ごめんごめん!邪魔しちゃったかな。
いいのいいの、気を遣わないで、勝手に入ってきたのは僕のほうだから。
ふふ、学生さんだよね?何年生?
……へえ!そうなんだ、油絵専攻なのかい?
わあ、そうなんだ。ふふ、いいね、素敵。
あ、僕のこと、知ってるの?
いやいや、そんな、たいしたことないよ。
ただ周りにいっぱい恵まれたってだけ。
でも、ありがと、改めまして、僕はウィンストン・パノマール。
よろしくね。
僕もね、この学校出身だったんだ。
でね、ちょうど君が座ってる席でね、いつも絵を描いてた。
ふふふ、うん、わかるよ。
その席ってさ、ちょうど西日が入って来たときに上手いこと
まぶしさから逃げられる席なんだよね。
僕も、同じ理由。
でもさ、この教室って一番、夕陽が綺麗に見えるじゃない?
僕、この教室から見る夕陽が一番好きなんだよね。
なんか、こう、青春の日々を凝縮したようなさ。
そんな橙色、ううん、赤橙(せきとう)って言うべきなのかな。
そんな柔らかくて、鮮烈な光がこの教室を染め上げた瞬間にさ。
僕もなんだか、世界の一部に組み込まれたような
そんな感覚になるんだ。
……君もおなじ?
嬉しいな、感覚の共有が出来ることほど、幸せなことは無いよね。
……落ち込んでる?
あ、ごめんね、なんかそういうの気づいてしまうというか。
うん、なんとなくね。
僕でよければ、話聞こうか。
そんな、いいんだよ、僕はただのここの卒業生で、
君は僕の後輩ってだけなんだから。
……そっか、うん、いいよ、ゆっくり教えて。
時間かかってもいいよ、うん。
つらいんだね、絵を描くことが。
でも、辞められないんだ。
そうだね、そうだよね、簡単に割り切れないよね。
好きであることと、それを生活にしていくことって
同じで在るときも、違う物で在るときも、両方が存在してて
難しいよね。皆が思ってるよりも、ずっと。
そっか、だから、そんな顔して、描いてたんだね。
……実を言うとさ、外から見えちゃったんだ。
泣きそうな顔しながら絵と向き合ってる君がさ。
……少しだけ、酷かも知れない事を、伝えても良い?
うん、ありがと。
どんなに苦しんでも、どんなに辛くても。
どんなに、努力してもね、必ずその絵が報われるっていう保証はどこにも無いんだ。
どれだけ心血注いでも、どれだけ苦渋の選択をしても
それが正解かどうかなんて、完成してもわからない。
何年も、何十年も経って、それが正解なのか間違いなのかを
誰かから伝えられるなんてこともある。
それが「創作」で、それが「表現」なんだって僕は思うんだ。
……じゃあ、今やっていることに意味がないのか。
そうであるとも、僕は、思いたくない。
意味があるのか、無いのか、じゃないんだ。
この、今している事を持ってして
「僕らが意味になっていく」。
僕らが、意味自体になっていくんだ。
創作や、表現の先には、それが待っている。
どれだけ間違いを犯しても、
どれだけ成功を積み上げても、
変わらず、ゴールで待っている言葉は同じなんだ。
「僕らの人生に、僕らは、意味を作り上げる事ができたか」
これが、僕らの追い求める創作と表現の先なんだ。
だからきっと、結果だけじゃない。
この、悩んで、泣きそうになって、苦しくて、筆を折ろうとするこの
この、過程に、意味があるんだよ。
この作品にとって、じゃない。
僕らにとって、意味があるんだ。
だから、僕はその筆を描き進めて欲しいな。
間違っていてもいい。失敗でもいい。
その先にある君自身の意味のための、キャンバスを塗りつぶしていってほしいな。
僕は、そう思うんだ。
どうかな、あれ、ちょっと説教くさかったかな。
あ、あ、泣かないで、ごめん、ごめんね、急にこんなこと言われたら嫌だよね。
……そっか、じゃあ、よかった。
いい目をしてるよ、君は。
楽しみだな、君の完成した絵が見れるのが。
うん、頑張って。きっと、きっと上手くいくよ。
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