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臍帯とカフェイン|声劇シナリオ・ポエトリー

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早口言葉添削師 滑舌院 紫苑(1人読み)


早口言葉添削師 滑舌院 紫苑

(はやくちことばてんさくし かつぜついん しおん)



はい、もう皆さん集まってますね。素晴らしいですね。

やはりね、時間というものは有限ですからね。

いい心がけ、素晴らしいです。


先程ご紹介に預かりました、私が本日の講師を勤めさせていただきます

「滑舌院 紫苑(かつぜついん しおん)」です。


はい、よろしくお願いいたします。


ああもう全然拍手いらない拍手いらない。


嬉しいですけどね、全然、拍手とかそんな、必要ございませんからね。

私ね、この道をあゆみ始めて20年弱。


まだまだね、どうしてもマイナーな分野ではございますけれども

一応ね、『早口言葉添削委員会』の委員長を任せて頂けるくらいにはね、なったのかなと、

ああもう本当に全然拍手とかいいですからね

はい、そんなね、早口言葉添削委員会ですけれどもね

本日はこんなにも受講生の方々が来てくださってね

時代ですかね、嬉しいものですね。


さ、ではさっそく添削していきましょうか。

まず、基本的にですね、とにかく早口言葉が言いづらいのは如何なものなのかってね

そういう所から我々はね、気持ちをこう、固めてきた訳ですけれどもね

言いやすさ、そして分かりやすさ、

それに、それだけじゃありませんよ。


そう、私のね、サブスクに入ってくださってる皆さんはもうお分かりですよね。

そう、早口言葉添削に大切なのは

『物語』、そう、人生ですからね、早口言葉というのはね。


はい、では一つ目参りますよ。


一つ目はね、こちらね。

『生麦 生米 生卵』、ってね。

料理下手の嫁か、なんていってね。


生でそのみっつを食卓に出すバカがどこにいますかって言う話ですよね。

はい、もうこれはとても分かりやすいですね。

もはやこの『生』が要らない、はい、要りませんね。


『生』という、母音が『あ』『あ』で続くなんてああもう言いづらい言いづらい。

生でね、出すなんてもう持ってのほか。

そんなものね、京都でぶぶ漬け出されるのと何が違うのー?って話ですよ。

はい、なのでね、大胆にこの生を焼いちゃいます。


はい、これでね、大分整ってますよ、すでに。


『焼き麦 焼き米 焼き卵』


ああもう素晴らしい、ね、この時点で大分おくちに優しくなりました。

これね、基本型ですからね。

まずは形を破る、そのために逆にしてしまえってね。


これがね、『煮込み麦 煮込み米 煮込み卵』だったらもう最悪。

はい、落第点、ってなりますからね。


今私のもとにはね、800人くらいお弟子さん達が集まってすけどもね。

もう、だめですよ、弟子がね、こんな添削したらもうしっぺですね、はい。

さて、焼いたことでね

今度はルールというものがね、変わってくるわけですよ。

早口言葉にもね、皆さんルールがありますからね。

なんでもいいってことは無いですから。


そう、最近はね、なんでもいいって、フリースタイルだってね、自由にやられてる方もいらっしゃいますけどもね。


それはね、もう、だめですよ、ほんとに。

伝統というものがね、ございますから。

きちんと流派やルールに則ってね、行ってあげないと。


それはね、もう、早口言葉が可哀想。


大切ですからね。


これ、私の流派の『無下限流』の考え方ですからね。

さ、少し話の腰が折れましたけども

『焼いたら混ぜろ』とね、昔から言うものです。


焼いてしまうなら、それはもうね。


しっかり混ぜて、形をなせ、というのがね、常というわけですよ。

焼いたら焼きっぱなし、生なら生っぱなし。


これがよくない。はい、きちんとね、ルールを守りましょうという話。

では焼いたこの3つをね、混ぜるとなると

じゃあそれは何なんだ、ということですよ。

ここからが物語、そういうことですよね。

はい、冒頭にも言いました、じゃあ物語と言うのはなんなのか?

主人公がいて、背景があって、理由や動機があって。


はい、そう。もう分かってますよハイハイという顔の人がね、いちにい、さん、はい、8人くらい居ますね。


嬉しい限りですね。

この場合の主人公は誰なのか、はい、焼き米ですね。


うんうんってね、8人が頷いてますね。


素晴らしい。ハナマルですね。

ハナマル3個あげちゃいます。3個ね。


米を焼いたらなんなのかってことです。

はい、もう察しがいいのがその8人。

いいね、ちゃんと学んでるってことだ。


こういう時に出ますからね、そういう培ってきたものっていうのが。

米焼いたらチャーハンだろってね。

チャーハンをね、まず主軸にしていきますよと。


ついてきてくださいね、きちんと。

いちいち基本中の基本はもう説明しませんからね。


『焼きチャーハン』にはなりませんよってことですからね。

そもそも焼いてるんだから、更に焼いたらそれはもう過剰ですよって、言わなくてもね、わかりますね。

はい、ということでまずはチャーハン。


チャーハンができたら後はもう焼き麦と焼き卵をどうするかっていうところまで来ました。

チャーハンに目玉焼き乗っけてホットケーキで挟んだらいいだろってね。

もうわかりきってるストーリーがね、ほら、見えてきましたね。

はい、じゃあ少し整えまして


『チャーハンに目玉焼き乗せてパンケーキで挟んだろかい』ですね。


もう一度いきますよ、はい。

『チャーハンに目玉焼き乗せてパンケーキで挟んだろかい』ですね。


これで大分言いやすくて、口にも優しい、

ルールも守ってる、はい、きちんと整いました。

ここまでやれたら、ようやく早口言葉添削師としてまず一歩目というところでね。

逆に言えば、ここまでやれてはじめて早口言葉の添削というところになるわけですね。


はい、では次にいきますよ。


『蛙ぴょこぴょこ 三ぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこ 六ぴょこぴょこ』


これもね、有名な早口言葉ですけどもね。

これこそ、実に言いづらい。


み、からのぴょ。

む、からのぴょ。


これが良くない。


そもそも、まず背景をよく理解しなさいよという話。

蛙が6匹いるわけを考えなさいよ、って。

5匹でもない、7匹でもない、6匹いるわけね。


オス3匹、メス3匹。


もうわかりきったね、説明いらないね。


そう『合コン』だ。


蛙が3対3で集まってる、はい、合コンだこれは。

初心者はね、ここで『蛙の合コン』にしちゃいがちなわけ。

それでもね、悪くはない。悪くはないけどもね。


ぎゅっと縮めたら伸ばす、はい、これもね、説明いらないね。


縮めたら伸ばす、伸ばしたら縮める。


当たり前のことね。

となると、どうなるのか。


『それじゃあ女の子の方から自己紹介よろしくゲロ~』ですね。


はい、口に出してみましょう。


『それじゃあ女の子の方から自己紹介よろしくゲロ~』ですね。


はい、どんどんいきますよ。


時間はね、有限ですからね。


皆さんには出来るだけ沢山の添削を経験して欲しいですからね。


次はね、


『お綾や親にお謝りと お綾の母はお綾に言いました』です。


これもまた長い上に、『お』と『あ』が多い多い。

多すぎて、二郎系ラーメンのもやしか、ってなるわけですね。

はい、これはもう簡単ですね。


『謝れ』


はい、もうこれですね。

一番綺麗。完成系ですね。


『謝れ』、一番美しい形。

はい、では次ですね。


『東京特許許可局』。


……はい。

これはもうね、言うまでもありません。

『きょ』の暴風雨。『きょ』しか存在してない。

多すぎる。


東京。

特許。

許可局。


きょきょきょきょってね。

言いにくいことこの上ない。

言いにくさ余って可愛さ100倍ってことわざがありますけどね。


これは頂けない。ターンテーブルで猿回してるのかって話。

はい、ここでも初心者の方はね。


『特許省』にしちゃう。実際はね、これだからね。


東京特許許可局は存在しないからね。

悪くない。

悪くはないけどもね。

これでは物語がありません。

はい。

行って。終わり。特許省に行った、それだけ。

これじゃあね、人生がない。

じゃあ、特許って何なのか。

発明ですよね。じゃあ誰が発明したのか。

はい、主人公が必要になってくる。


これもね、私のサブスクの上位プランに入ってくださってる方なら、もう何人か泣いてます。


ね。伝説の再現。懐かしいね、5年前ね。

似たような添削があったもんね。

おいおい、そこ泣きすぎ泣きすぎ。

拍手はいいから、はい、終わり終わり。


嬉しいですね。

ちゃんと身についてる。はい。

主人公は博士。もう決まりです。

博士が何かを発明して。特許を取ろうとして。

許可をもらいに行く。これだけで一本映画ができます。

はい。


じゃあ添削します。


『そうだ、博士、申請しよう』


はい。

もう一度。


『そうだ、博士、申請しよう』


はい。


言いやすい。分かりやすい。

そして物語がある。三拍子ですね。

こういうことです。これがね、お家芸。

ここまでやれたら、もう伝説もの。

賞とれちゃうね、免許皆伝。

はいもう泣かない泣かない。

はい、次。


『隣の客は、よく柿食う客だ。』


これもねぇ、

初心者が引っ掛かる。

『客』が二回。

その上でね、『柿』『食う』『客』

か行の暴行事件。これはね。

客に失礼。


本人の意思を確認しましたか、という話ですよ。


勝手にね。


「よく食う人」って決めつける。

これはね。現代ではもう通りません。

コンプライアンス。ありますから。

まず確認。コンプライアンス。

ハラスメントに近いものがありますから。

ここからです。

はい。

添削します。


『柿、お好きですか?』


はい。

これですね。

これが会話。

これが思いやり。

そして返事を待つ。

ここまでが早口言葉です。

待つ勇気。

これ、大事ですからね。


はい泣くな泣くな、もうね、これ伝説。


超えましたね、5年前の添削超えました。

すごいね、あなた達、いい時間に来れたね。

素晴らしい。

さ、それではここからは皆さんに実際に

添削してもらいますからね。


はい、グループになってまずは実践してみましょう。

はい、用紙回して~。

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