【朗読詩】ブラキオサウルス
久々に見かけるとやっぱりなんだか
胸の奥がずきずきとしてくるから
多分一生癒える事の無い傷なんだろうなっていうことに蓋をして
毎日をなんとかギリギリ生きている日々。
なんて気持ちの悪い生き物になってしまったんだろうなと自分を落とし穴にかけながら、言葉を紡ぐ。
ほとんど意地なのだろう、きっと。
そういう癒える事の無い傷を
背中に残しながら
僕たちは人間の振りをしている。
書き続けて、書き続けて
物語を前に進ませていくのは
自分自身の化石をまだ見つけたくないからなんだって、思うこともある。
考古学者の振りをしながら、
物思いにふけるのはあんまりオススメしない。
フレンチトーストにはメイプルシロップをかけた方がいい。
年金は、貰えるかわからないけど払って置いた方がいい。
大切なものは大切だと、言い続けて置いた方がいい。
好きでいられるのなら、自分のことを好きでいた方がいい。
考古学者の振りをしながら、
物思いにふけるのはあんまりオススメしない。
背中の傷が、ブラキオサウルスになっていくのを今か今かと待ち望んでは
待ち望むのと同じだけ、戻らない過去のことで涙する。
けーんけーんと、鳴いたであろう首長竜の
涙は多分プラスチックで青く光っている。
そっと閉じるXデーのこと、
手のひらに収まるだけの愚痴の数々を
見なかったことにできなかったから
僕らは人間らしく傷ついたり傷つけたりしていく。
そうしないと生きられない訳でもないのに、
そうしないと死ぬこともできないと
嘘ついてみたりうそぶいてみたり。
けーんけーん、いつまでも聞こえている。
この背中のことを、忘れることができれば
もう少し生きるのが、
楽なのになあ。缶を蹴飛ばす。
骨にあたる。オススメしない。
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