朗読詩 グレイハウンド
曇り空の下、手を差し伸べたのは
いつかの吠えた野良犬で
悲しそうな顔しないでよ、って言う
その顔が悲しそうなのに
どうしてこんなに
君は優しくないんだろ。
曖昧な世界。
曖昧な正解。
愛、マイナー、世界。
暗い街の中、手を噛んだのは
いつかの吠えた野良犬で
悲しそうな顔してる、って言う
その顔が悲しそうなのに
どうしてこんなに
君は優しくないんだろ。
曖昧な正解。
曖昧な世界。
愛、マイナー、正解。
地平線に浮かぶ三つの、
停止線の上で
私はいつだってあなたの
そんなあなたの
掌を待っていたというのに。
言わないで、グレイハウンド
私が不幸だなんて。
サヨナラの墓地(ぼち)では
私のこと皆が知っている
明日の事も涙するなんて
なんて憂鬱な女だろうって
石たちが笑う、
まるで動かないみたいに。
言わないで、グレイハウンド
私が可哀想だなんて。
曇り空の下、手を差し伸べたのは
いつかの吠えた野良犬で
悲しそうな顔しないでよ、って言う
その顔が悲しそうなのに
どうしてこんなに
君は優しくないんだろ。
曖昧な世界。
曖昧な正解。
愛、マイナー、世界。
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