朗読詩 #ねこはきえたい
【#ねこはきえたい】
ねこはきえたい。
リモート会議の時にわざわざビデオ通話にしたがる上司がいたりすると、ねこはきえたい。
ねこはきえたい。
閉店間際のスーパーで一度手に取った商品を後から半額シールを貼れと詰め寄るおばさんがいたりすると、ねこはきえたい。
きえたいことがおおすぎて。
でろりと溶ける、そんな夜。
ねこは、液体。
なんにでも入れる、どんな形にもなれる。
でも、ねこはきえたい。
君のいない夜なんて、入る価値もない。
いつまでたっても、忘れられないのは
君のことばかり。
でも、九九の八の段と
君の涙の理由は、気づいたらたまに忘れてる。
ねこはきえたい。
その一言だけ残して、君は消えちゃった。
ねこはえきたい。
多分僕の心も、液体なんだ。
夜の暗がりで、何時までも零れてる。
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