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朗読詩 ロードランナーは字が読めない

ロードランナーは字が読めない

#ダフィーダックの憂鬱
洗濯機を回すとあなたのにおいが
しんでしまう。
ごうんごうんと音を立てて
昨日のあなたとの時間を
ころしていく。
それでも私はいつもより多めに
洗剤を入れてはカートゥーンよろしく
部屋を泡まみれにさせて
このしを受け入れるのだから。

#カートゥーンの日常
ダフィーダックのエピソードで一番えぐいのは
親友の全財産と臓器を奪って
結局自分はのうのうと生きていくはなし
わたしはそれを傍観するバニーのことも嫌いだし
彼のかじるニンジンも心底嫌いだ。
でもロードランナーはそんなこと気にも留めずに
今日も三次元と二次元のはざまを
ひたすら走り抜ける。
そのスピードで涙も乾くけどって
誰の言葉だったっけ。

#ロードランナーは字が読めない
だからあなたから手紙が来る事はなかった。

#ダフィーダックの憂鬱
あいにく午後からは雨が降る事になったらしい、わたしの白のワンピースは
あなたのにおいをころしたまま
部屋のなかではたはたと干されては
カートゥーンを観たこどもみたいに
けらけらと笑うのだ。
わたしはチリチリと焼け始めたおなかを摩りながら
テレビの電源をつける
今日は一日中優しい番組をみよう
笑うこともしなくていい
優しい時間を過ごそう。

#ロードランナーは字が読めない
だからわたしもあなたには何も送らなかった。



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