朗読詩「夜を越えた日」
銀河鉄道の汽笛が聞こえなくなった、
それは夜を越えた日。
肋骨の隙間を抑えながら
思い出した君の言葉は
何回だって僕を殺すには
充分だと思ってたけど
眠れぬ日々を
笑い飛ばすことは
できないまま
死なないだけで
生き残る
それは夜を越えた日。
無くなったものがすべて
愛だと勘違いしていたのは
なんとなく、そこに
温もりがあり続けてしまったからだ
いつかの約束が
埃を被ったアルバムみたいに
咳き込んでいる
それは夜を越えた日。
もういいかい
もういいよ
繰り返してる
コーヒーも飲まなくなったし
たばこも美味しくなくなった
おしりを出して
一等賞だったのは
上手く隠せなかった
独占欲と
その他もろもろの僕のわがまま
それは夜を越えた日。
やりたい事をやろうと思ってるよ
まだ何も許せなくて
許せない自分も許せなくて
ただ毎日なんとなく朝が来てしまうことを
諦めることはできるようになって
もう一度だけって
もう何回朝日を有難く思ったのか
忘れてしまった
いつまで経っても
君のために死ぬこともできない
それは夜を越えた日
君が居たかも知れない海を想う
多分きっと間違いなくここから銀河鉄道は
飛び立っていって
僕に聞こえないくらいの声で
何もかもの世界の秘密を
残していって
ああそれならなんだかもう
ことばなんて、なくったって
よかったなあ。
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