朗読詩「名前なんて無い」
今日も生きてたんだ、偉いとかじゃなくて
名前をつけ忘れた話が
崩れそうなほど積み上がってきた
そろそろ会って話でもしたいな
あの時はごめんって謝れるから、
あともう少し時間をくれないかな
おまえも時間も待っちゃくれないよな
世間じゃクリスマスだっていうのに
俺はまだ昔傷つけてしまった人のことや
忘れられない自分のかさぶたの話ばかり
思い出してはノートに書きなぐってる
寒くなってくるとさ、
ゆきちゃんのことを思い出すよな
あの時もらった折り鶴のラブレター
なんで燃やしちまったんだろうな
覚えてる?忘れるわけないよな
横断歩道を歩いてても
車に轢かれることがあるなんて
一生忘れらんないよな
なんでゆきちゃんの告白を
なあなあにしちゃったんだろうな
お前はそういう所あるよな
大事なことを言葉にする前に
何かを失う速度の方がはやくって
あっという間にあの日の夕焼けのこと
『懐かしい』だなんて思ってる
そろそろ会って話でもしたいな
あの時はごめんって謝れるから、
あともう少し時間をくれないかな
おまえも時間も待っちゃくれないよな
待ってくれるはずもないよな
最近心が腐ってた時に錦糸町で悲しい事件があったんだよ
こんな寒いあのげろ臭い街の駐車場でさ
赤ん坊がひとり棄てられて死んでたんだ
母親は誰にも相談できずに
自分の部屋で誰にも見つからないように
自分の子供産んでさ
どうしようも出来ずに
冷たくなるの待ってたんだ
わからないよな
しにたいを抱えてても
こんな所に来ちまうのに
わからないよな
生きたいやつは何時どんなふうに
いなくなっちまうかわからないんだから
あの日銀杏BOYZのミネタが
ライブで言ってた話がさ
この令和の世の中でも同じように
続いてるんだってさ
笑っちゃうよな
いや、笑えないよな
今日も生きてるし
今日も生きてるしな
名前のつけられない想いとか
忘れた方がいいことなんか
とくにさ
消えることなく
このまま、この身体に流れてるなら
血液にはヘモグロビン以外も
たくさんの事が流れてんだろうな
あの時もらった折り鶴のラブレター
なんで燃やしちまったんだろうな
覚えてる?忘れるわけないよな
今日も生きてたんだ、偉いとかじゃなくて
そんなの
名前なんて
つけらんないよな。
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