【朗読詩】君を嫌いになるまでは。
柔らかな夜を迎える。
その身体には羽が生えているかもしれなくて、どこかへ飛んでいってしまうよあなたが私を捕まえていないなら、って。
なんか、そんな風に笑ってるみたいだ。
僕は君が好きだったんだと思うよ、君を嫌いになってしまうまでは。
冷蔵庫に入れっぱなしにした、朝ぼらけのパンティーストッキングをいい加減に捨てる覚悟をして。
この柔らかく薄い皮膜のようになれればと指で押し込んでは、破いてしまう人差し指を僕は嫌いになっていく。
僕は君が好きだったんだと思うよ、
もはや呪いのように染みていくそれは。
吐き出しても飲み込んでも痛いままだから、
なんかもう、いいやなんて呟いて、
Xの投稿の下書きを増やしていく。
あと何回、君の居ない夜に慣れていくだろうか。
それは幸せなことなんだと思うことにした。
広げては閉じるを繰り返した、辞書の耳を折って。
つけ忘れたアンダーラインの事を思い出す。
ごめん嘘、思い出せない。
そうやって、あと何回かで、君の居ない夜に慣れていく。
君が居なければ、
この柔らかい夜を迎えることは無かったのかもしれない。
こうやって、詩を書く自分を
嫌いになっていく夜を、迎えることは無かったのかも。
薄い皮膜わ破るみたいに叩くキーボードと、コンドームのはじっこでまだうそぶいてる。
後ちょっとを、生きてみよう、を。
繰り返し、また繰り返し。
潮風みたいな匂いになった布団と、
僕との境界を探していく、大冒険は続く。
柔らかな夜を迎える。
その身体には羽が生えているかもしれなくて、どこかへ飛んでいってしまうよあなたが私を捕まえていないなら、って。
なんか、そんな風に笑ってるみたいだ。
僕は君が好きだったんだと思うよ、君を嫌いになってしまうまでは。
僕はずっと嫌いだけどね、僕のこと。
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